会長挨拶

2020年8月27日

会長からのメッセージ

全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛

 私たち全日本民主医療機関連合会(民医連)は、北海道から沖縄まで日本全国で病院、診療所、薬局、介護施設など、合計1800を超える事業所を展開している組織です。そこでは約8万人の職員と医療生協組合員や友の会会員など370万人を超える共同組織の仲間が、無差別・平等の医療・福祉の実現を目指して活動しています。

 1953年にこの国に誕生した民医連は、発足時から休むことなく地域の人々と力を合わせて、目の前の患者さん・利用者さんに自分たちが出来うる最高の医療・介護サービスを提供するための努力を続けてきました。同時に、経済的理由などで医療・介護事業所を訪れることすら出来ない人々の人権が守られるような社会の実現に向けて取り組んでいます。そして、日本国憲法が掲げる個人の尊厳や平和主義、健康権のかけがえのない価値を学び、地域の中で憲法の理念が活かされるようなまちづくりにも挑戦し続けています。最大の健康破壊である戦争に断固反対し、深刻化する気候危機に対しても世界の若者たちのムーブメントに連帯して活動します。
 現在、世界では、いのちや健康より経済を優先する政策によって、先進国の中でも経済格差が拡がり、多くの人々の人権が脅かされています。日本においても、数々の制度改定により、必要な医療や介護を受けることが出来ない人が沢山放置されている現状があります。民医連は「いのちの平等」を掲げ、二つの権利(「患者の権利」と「病人が患者になる権利」)をまもるために奮闘しています。
 2020年初頭から深刻化したコロナ禍においても、それまで医療体制を縮小してきた国では、医療崩壊とも言える事態に陥りました。そもそも医療や介護、福祉というものは、赤字だから潰れても仕方ない、というものではありません。国民の生存権・健康権が保障されるためには、国が責任を持って整備すべき分野が社会保障です。民医連は社会保障が1人ひとりの国民のためにしっかりと機能できるよう制度の改善を目指し運動しています。

 民医連は、2010年の第39回定期総会で新しい綱領を決定しました。そこでは冒頭に「無差別・平等の医療と福祉の実現をめざす組織」として自らの在り方を宣言しました。そして2016年の第42回定期総会で自らの活動の旗印として「民医連の医療・介護活動の2つの柱(①貧困と格差、超高齢社会に立ちむかう無差別・平等の医療・介護の実践 ②安全、倫理、共同のいとなみを軸とした総合的な医療・介護の質の向上)」を掲げその実践に日々尽力しています。2020年の第44回定期総会では綱領改定後の10年間を振り返り、新たな気持ちで平和と個人の尊厳が輝く2020年代を創造するための方針を確立しました。

 ‘人々の困難あるところに民医連あり’ 

 文字通り、そのような組織として頑張ってまいります。

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