事業所のある風景

2016年8月16日

民医連事業所のある風景 東京/東葛病院

職員総出で進めた新病院建設

 流山市は、千葉県東葛飾の17万人が暮らす東京のベッドタウンです。2005年8月に開業した「つくばエクスプレス」線の駅が市内に3つあり、周辺の開発が急ピッチで進み、人口が増加しています。今年5月に東葛病院が新築・移転したのは、その3駅の1つ、流山セントラルパーク駅前です。
 流山市は新選組の近藤勇と土方歳三の惜別の地です。住民の多くは、江戸時代からの農家と1970年代に移住した方々でしたが、宅地化が進む中で子育て世代が急増している地域です。東葛病院は1982年開業し、翌年には倒産状況に陥りました。その後10年以上にわたり全日本民医連等からの支援を受けながら、1993年東京勤医会と合同し、現在に至っています。
 合同以来、長年にわたり医師不足が解消されない状況が続いていますが、増える患者数に対して頑張っています。

「断らない医療」 を実践

 2012年に新築移転を決定し、以後、職員総出で建設運動を進めてきました。
 東葛病院は、「断らない医療」「いつでもだれでも、差別のない医療」を掲げ、急性期からリハビリまでの総合的医療を移転後も進めています。無料低額診療事業も市内で唯一行っている医療機関です。
 流山市には公立病院がなく、救急搬送患者の約4割は近隣他市に依存しています。その中で東葛病院は断らない救急を実践し、救急要請応需率は97パーセント以上、年間救急車搬送数は3000件を超えています。特に、小児救急では市内の救急搬送のほとんどを受け入れています。また、隣接する埼玉、茨城からの救急搬送も近年増えています。

感染対策に力を入れて

 新病院移転後、内科予約専門の近隣診療所を新設、旧病院にも診療所を残し、病院と併せて3カ所で外来診療を行うことになりました。患者のみなさんは、病状や居住地域に合わせて利用されています。
 病床数は一般330床(産婦人科、回復期リハ、緩和ケア含む)、療養36床で計366床です。首都圏の民医連病院の中で2番目に多い病床数です。8階建て12病棟で、366床中103床が個室です。緩和ケア、小児科はすべて個室としています。
 感染対策に力を入れ、陰圧個室3床と入院透析室2床、小児科外来に5つの陰圧隔離室を配置しています。小児科外来は1階エントランスすぐに受付を配置し、一区画で感染症対策をしています。各所に手洗いを設け、「感染対策は手洗い・うがいから」を遂行しています。
 最新設備の手術室4室、HCU8床、外来・入院透析72床を配置しています。

1万人の友の会会員をめざして

 新病院建設に合わせて、「医学対大運動」を展開し、新たに8人の奨学生が誕生しました。また、看護学校を持つ法人として、毎年卒業生を30人以上受け入れ、徹底した民医連看護を行っています。
 千葉県初、日本で19番目のHPH登録病院として、熱中症予防の宣伝カー運行や、「気になる患者戸別訪問」、年末の「派遣村」、毎月2回の「まちかど健康相談会」等を行っています。東葛健康友の会は、毎年会員拡大目標を突破しています。現在、1万人の友の会会員をめざして、地域班会、健康相談会、各種のサークル活動を行っています。
 旧病院時代から地域の農民連の「おかみさん」たちが、地元の朝採れ野菜を「ふれあい朝市」として販売していました。朝市も病院と一緒に移転して、駅前一等地で元気に営業を行っています。

東葛病院 建設委員会事務局長 松原 立生)

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