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| 基本的には主に総合診療方式に準じた内科研修と1次救急を中心にした救急研修を行います。 |
(導入期研修)
医師になったばかりの皆さんは残念ながら分からないことだらけです。この時期に無理矢理ハードなトレーニングを強いると、研修に対するモチベーションが維持できずにドロップアウトしてしまう人も出てきます。私たちはまずは医師の生活に慣れること、「医師の身体」になることが重要だと考えています。研修当初の3〜6ヶ月を「導入期研修」と位置づけて医師患者関係を築く上での基礎をここでつくります。看護師研修を含めた他のスタッフ体験から始まり、施設によっては患者体験や地域訪問なども行います。その上で3〜5人程度の患者さんを受け持ち、毎日の診察やカルテ記載、指示出し、病状説明への参加、カンファレンスの準備、簡単な処置など、病棟での基本的な医師の仕事を研修します。この時期の研修を通じて、チーム医療や地域の人々からの期待、病める人の実態などを体感し、「良い医師になろう」というモチベーションを高めていきます。
(病棟研修)
研修スタイルは総合診療方式あるいはそれに準じた内科・外科ローテート研修でEBMと行動科学的な教育技法を重視しています。導入期研修の時期を含めて屋根瓦方式を採用し、図(屋根瓦方式の模式図)のように先輩研修医、研修指導医、病棟の責任医師などが重層的に研修に関わります。指導医は担当患者さんの治療方針などの相談をはじめとして、カルテのチェックや患者・家族面接への同席などその研修医の成長に全般的に役割を発揮します。先輩研修医は2〜4年目の医師で病棟の中では日常的に研修医のそばにいて、カルテの書き方や指示の出し方、処置のやり方などを研修する上で「最も聞きやすい相談相手」になります。病棟の責任医師は研修医の定期的な振り返り(形成的評価)を看護(師)長などともに行います。また、研修医は研修医会を、指導医は指導医会をそれぞれ開催し、研修管理委員会での議論に反映させます。こうしたやり方を通して卒後1年でcommon diseaseを中心に100〜150人の患者さんを担当します。この時点でほとんどの研修医はかなりの実力が付いています。
(救急研修)
主に1次救急を中心にした救急研修を行います。研修開始2ヶ月前後からACLS研修、救急車や当直帯の患者対応の見学を開始し、その後、研修指導医の付き添いのもとに診察する研修期間があり、だいたい6ヶ月前後にはファーストコールで患者さんを診るようになります。私たちの医療機関の救急外来には実に多彩で多くの患者さんが訪れます。風邪や腹痛は勿論、発熱の子供、意識障害、交通事故、お年寄りの肺炎、在宅患者さんの看取りなど様々です。更にそうした患者さんに混じって、心筋梗塞や喘息の重積発作、食道静脈瘤の破裂などの重症例も来院します。不安な時間や眠れない夜を仲間や先輩医師そして他のスタッフに励まされて乗り越えて、確実に力が付いていくのが分かります。1年間で研修医一人あたり600〜1000人の救急外来患者さんの対応を経験します。そして概ね1年が経つ頃には先輩医師と共に当直業務に入ります。 |
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研修開始1年を前後して、内科・外科研修に加え、小児科、産婦人科、精神科などの研修が始まります。それまでの研修で基礎の力は付けているので、1〜3ヶ月という短い期間でもかなり集中して研修に取り組むことが出来ます。内科研修を引き続き行っている場合もあり、そこでは1年目研修医の「最も聞きやすい相談相手」としての役割も担います。また、本格的な慢性疾患を中心にした外来研修や往診などの在宅医療研修もこの頃から始まります。その他、リハビリ科や整形外科、皮膚科などの研修を個々の研修医の希望を考慮して行っています。施設によっては診療所研修や離島研修などを行っているところもあります。
2年目ともなるとスタッフからの見る目も随分と変わってきます。かなりの力が付いてきているので、周りからもいろいろと頼りにされるようになるし、救急外来の現場では1年目研修医への指導も自身の研修課題となります。また地域住民との懇談会に参加して自分たちへの期待を肌で感じたり、健康づくりの活動を行ったりするのも大切な研修になります。このようにより幅広く総合的に成長するのが2年目の研修です。 |
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3年次以降の医師臨床研修(シニアレジデントコース)について
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私たちは基本的に初期研修の2年間に加え、3年目以降のシニアレジデント研修が一貫性を持って行われることが大変重要だと思っています。それだけ今の医療現場では覚えること、体験しなければならないことがたくさんあります。プライマリケアの基本的能力を獲得するためには実は3年目以降の研修が大切です。2年間の主に病院中心の研修の後に地域の第一線の小規模病院や診療所で6〜12ヶ月間の研修を上積みすることよって、プライマリケアの研修の質を高めるとともに医師としての自立を促すことにもつながります。また将来の日本の医療を展望すると、医療だけでなく介護・福祉分野の占める割合がいっそう高まっていくことは間違いありません。抗生剤の種類は知っていても介護保険の主治医の意見書が書けない医師では困るのです。そうした意味からもより福祉事業との連携が求められる地域の小規模病院や診療所での研修はますます重要になってきます。以上のような3年目以降の研修をおこなう、主に総合内科や総合診療、家庭医療を指向する医師のコースと、内科の専門分野や他の専門科を志望する医師の研修コースを準備しています。
1)内科系・総合診療・家庭医療をめざす医師
総合診療方式の外来・病棟・在宅研修をはじめ地域の第一線の中小病院・診療所での研修を重視しています。もちろん他科を志望する医師の参加も大歓迎です。
プライマリケアや総合診療、家庭医療を自分の専門として指向している方にとってみれば、地域の小規模病院や診療所、福祉事業体、地域住民との様々な共同の取り組みなど、民医連のフィールドは研修の宝庫だといえます。こうしたフィールドで研修を積んだ医師が増えることが今後の医師初期研修を更に充実したものに発展させていく保証だと私たちは考えています。
2)内科の専門分野や他の専門科をめざす医師
専門科を志望する医師は各専門分野の研修に入っていきます。また、1)のコースを終了し、さらに専門的な研修(プライマリケアや総合診療、家庭医療を含む)を希望する医師もこのコースに入ることができます。民医連の研修病院は概ね総合病院規模の医療内容を持っているので、各専門科では他の施設と比較しても遜色のない専門医療を行っています。そこで一定の期間研修を積んで認定医や専門医をめざした勉強にも挑戦します。また、その地域に必要な医療技術を獲得するために、各グループでよく検討していわゆる一流といわれる専門施設への外部研修も行っています。各大学病院、国立小児病院、榊原記念病院、虎の門病院、国立がんセンター、国立癌研究所、日本三井記念病院、東京都立駒込病院など98年から2000年の2年間では200名が168カ所で研修をしています。
私たちは医師が専門的な力量を付けていくことは患者さんの期待に応える意味でとても大切な課題だと考えています。しかし、同時に専門だけに没頭してプライマリケアの理念を忘れてはいけないと考えます。日常的には様々な患者さんに対応しながら、専門的な力が必要な場面ではその力を存分に患者さんのために発揮できる医師であることが大切です。そして、そういう姿勢であるからこそ、病院全体でプライマリケア能力を育てる初期研修が出来るのだと自負しています。
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