人の役に立ちたくて選んだ道

〜産婦人科で輝く青年医師〜


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甲府共立病院
〒400-0034 甲府市宝1-9-1
TEL 055(226)3131 FAX 055(226)9715 
http://www.yamanashi-min.jp/kofukyouritsu/
1955年甲府駅前に甲府診療所として3名のスタッフからスタート。地域に根ざした医療活動が住民から支持され、現在では283床の地域の中核病院になっている。
初期研修医、後期研修医募集。医学生実習生随時受付中。

 「産婦人科」というとどんな言葉をイメージしますか?『新たな命の誕生』『未来への希望』…?今ではすっかり『医療崩壊』『医師不足』のイメージが定着してしまったのではないでしょうか。最近ではハードな勤務や医療訴訟のリスクなども影響して産婦人科を希望する医学生が少ないといわれています。この先、日本の産婦人科医療はどうなってしまうのでしょうか。
 今号のCLOSE UPでは、山梨県の甲府共立病院にて産婦人科後期研修中の鶴田統子医師を紹介します。母として子育てをしながら働く鶴田医師に、なぜ産婦人科を選んだのか、なぜがんばり続けられるのか、医学生がインタビューしました。
 

INTERVIEW

田中:学生時代から産婦人科を志していたのでしょうか?
鶴田:女性の体には興味はあったもののまさか自分が産婦人科に進むとは夢にも思っていませんでした。私はもともと漢方をやりたくて医者を目指したこともあって、内科医になりたいと思っていました。1、2年生の頃は漢方のことしか考えておらず漢方の効果を疑うとか、医学的なEvidenceの有無がどうだという発想は全くしませんでした。でも、3、4年生の頃は漢方から離れていた時期がありました。その後また漢方への興味が戻ったんですけど、離れていたからこそ分かる漢方の良さや悪さが見えてきました。当初は漢方と手術は対極にあると思っていましたが、そのおかげで手術に対する抵抗感もなくなりました。

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※「メディウイング」誌・42号の地図で誤植がありました。HP上にて訂正し、お詫びいたします。

山梨県では2001年に28あった県内のお産を取り扱う施設は7年後の2008年には16へと激減し、同時にお産可能な施設が全く無い地域も広がってきている。(地図:黄色が甲府共立病院、赤は病院、青は開業医、×はここ1年ほどで分娩を休止した施設)一方で県内のお産件数は年約7300件であり、7年前とほぼ横ばいである。
甲府共立病院では3名の常勤医師で年間約530件の分娩を取り扱い24時間365日の対応を維持している。

田中:内科医を目指していて、なぜ産婦人科に進むことになったのでしょうか?
鶴田:私が医師となって仕事を始めたころは、もちろん研修医ですし、家族である夫も母も顧みずにひたすら仕事をしていました。そうでもしないと医師の業務を覚えられなかったし、医者とはそういう働き方をするものだと思っていたのです。病院自体にもそんな雰囲気が漂っていました。
 しかし、初期研修中に産婦人科を回ったときにその思い込みは覆されました。医師は、家庭も顧みるべきであるし、自分の健康に留意して仕事をすべきなのだということに気がついたのです。
 病院全体としても医師労働の過酷さが限界になりつつあり、ちょうど医局内にも患者さんだけじゃなく、働くスタッフにも優しい病院にしていこう、一人一人の医師を大事にしようという雰囲気が出てきていました。
 産婦人科では早くからそういう雰囲気がありました。
 当時産婦人科は常勤医師が3人。当直体制をとっていて毎日誰かが当直をしています。外来にも毎日40〜60人ほどの患者さんがやってきます。3人いれば、相談もできるし負担も少ないのではないかと思いますがそうではありません。3人なら3人なりの仕事があるので、1人欠けると残りの2人の仕事が1・5倍になるのです。一番年配の医師は50代です。このご時世ですから、産婦人科医は倒れようが、潰れようが、どこからも代わりの医師は来てくれません。だから私が初期研修で回った時にはすでに「倒れないように、潰れないように、医師として働き続けられるように削れる仕事は削ろう」ということをモットーとして業務改善を行なっていたのです。例えば、夜間に緊急で診察する必要のない患者さんが来ても以前は断らずに診察していました。でも、今は極力そういう患者さんは日中に来てもらうことにしています。患者さんからしてみたら「断られた」と思うかもしれませんし、申し訳ないとも思っています。でも、そのおかげで仮眠をとることができる夜もあり、だいぶ負担が軽減されました。3人しかいないので無理をしすぎないこともすごく大事です。
 先日「もう少し当直に入ったほうがいいですよね?」と上司に言ったことがあります。すると、「やってくれたら嬉しいんだけど、あなたはお母さんなんだし子どもも小さいからやるべきじゃないよ」と言ってくれました。私の上司はずっと前からそういうスタンスです。どんなにピンチになってもそのスタンスは崩しません。本当にすごいと思うし尊敬しています。
 うちの産婦人科にはそういう柔軟な姿勢があります。それが産婦人科を選んだ理由の一つにもなっています。
 それから、私には『スタッフが私にかかりたいと言ってもらえる医者になりたい』という目標があるんです。スタッフは医師の仕事を毎日見ていて無意識にやっていることもよく見ています。そのスタッフが病気になった時に「先生にかかりたい」と言ってくれることは、医師としての誇りだと思っています。うちの病院には女性の産婦人科医がいなかったし、産婦人科の看護師長さんからも「大歓迎だから来て」と求められることもありました。女性スタッフと話をしていて「男性の産婦人科医師にはかかりにくい」という声もありました。女性医師に診てもらえるということで受診に対する敷居が低くなるのであれば、予防という観点からも私が産婦人科医になる意味があるのではと思うようになりました。他の科でもそういう側面はあるけれど、女性の私が選ぶことで貢献できることは、産婦人科が一番大きいんだなと思いました。内科の健康診断で医師が男性だから受けないということはあまり聞かないですよね。

表1●鶴田医師一週間のスケジュール
 
担当患者さんの処置、回診、書類書きなど
午前 外来 外来 外来 病棟 外来 外来
午後 術前カン
ファレンス
カンファレ
ンス
産後検診
手術
医局会 手術 母親教室
大学研修   会議など      
この他、月に4〜5回ほど当直に入っている。

表2●甲府共立病院の分娩取り扱い件数の推移
周辺病院等の分娩の休止や閉鎖の影響を受け、甲府共立病院での取り扱い件数も年々増加してきている。

表2

田中:鶴田先生は予防医学に興味があると聞きました。
鶴田:もともと漢方には『未病を治す』という悪くなってから治すより良いうちに治すという考え方があります。実際どういうことを心がけているのかというと、かゆみやお腹の痛みを訴えてくる若い患者さんに啓蒙をしています。子宮頸癌って知っていますか?
田中:ある先生から、「子宮頸癌は絶対に治る癌だから、検診を1年に1回は受けなさい」と言われています。
鶴田:そうなんです。他にも、今は10代後半から20代前半の女性3人に1人はクラミジアに感染していると言われています。今は無症状でも後々困ることになるかもしれません。病気が悪くなってしまう前になんとかしたいと思っていて、受診に来た若い方にはクラミジアや癌の検診を必ず勧めますし、小さくても筋腫がある人には「絶対忘れずにまた受診に来てね」と言います。
 若者に性教育をしていきたいという目標もあります。ゆくゆくは学校に行って話をしたり、地域に打って出ていきたいと思っていますが、今はまだそこまでの余裕がないですね。外には出ていけていませんが、出来る範囲で意識していることはあります。うちの病院は中絶も行なっています。私が一番嫌いな業務です。中絶の時にはケースによってパートナーの方にも入室してもらい「女性だけの問題じゃないんですよ」という話をします。それから具体的な避妊指導もします。
 そんな話が長引いて外来が延びて昼食をとる時間がなくなってしまうこともしばしばあります。午後の診療やスタッフに迷惑をかけてしまい申し訳なく思っていますが、それが自分の産婦人科医としての存在意義だと思っているので、時間をかけてでも話をすることはこだわってやっています。
田中:患者さんの反応はどうでしょうか?
鶴田:人によって温度差があります。赤ちゃんができて困ったらおろせばいいと軽く考えている人もいます。深く思い悩んでパートナーとも話をして「辛い経験でしたが、今後の人生の糧にします」と言ってもらった時には、この人のためにはなったのかなと思いました。それから、ピルを飲み始めるようになった方もいました。妊娠は、本人たちの極めてプライベートな事情もあるし、中絶するとなれば強い葛藤にもかられます。全く心を開いてくれない方もいて難しい時もあります。
 若年層を見ていると最近は『性の安売り』という印象を受けています。例えば学校に行って正しい性教育をすることで40人のうちの5人だけでも意識が変わってくれれば、その5人は望まない妊娠をして私のところに来ることはなくなります。将来的にはぜひやりたいですね。

田中:辛いと思うときはありますか?
鶴田:私は今外来に一番ウェイトを置いています。週に4〜5回、9時から12時の枠で毎回30人くらいみています。こっちが少し間違った対応をしてしまうと、患者さんが冷める瞬間があるんです。そういう時はすごく落ち込みます。どんなにがんばっても不満を持って帰る患者さんはきっとなくならないかもしれません。それでもそれをゼロに近づける努力をすれば、やっただけ良い反応がでると思います。例えば10代の子で生理痛がひどい子が相談に来た時、丁寧に話をして、帰るときには安心して顔が明るくなったのをみると、ゆっくり話をして良かったなと思います。それで、次に受診に来た時にはにこにこして「その後は良くなりました」と言ってもらえると私もすごくすっきりします。逆に、初診時にはきちんと話せたと思っていたのに、2回目の受診でゆっくり話ができなかったのがまずかったのか、その後受診に来なくなった方もいました。医師の対応の仕方によって患者さんが傷ついたり不安になったりしてしまうことで適切な診療ができないこともあるので、理解してもらえるように心がけています。

田中:不安に思っていることはありますか?
鶴田:訴えられるかもしれないと、いつも不安に思っています。訴訟に関係なくても、患者さんにとって不幸なことが起きてしまうというリスクは常にあるので、お産の時なんかはいつもドキドキしています。ただ、私が不安に思っていてもそれが患者さんに伝わることはよくないので、患者さんや妊婦さんを励ませるように本人たちの目線で話をしたり、時には冗談を言ったりすることを意識しています。
 訴訟に対しては、福島県立大野病院事件で医師に無罪判決が出されてからは、だいぶ払拭されたようにも思います。
田中:産婦人科は訴訟が多い科だと聞きます。そのあたりはどうでしょうか?
鶴田:患者さんに治療や出産にはある程度のリスクがあることをしっかり説明するようにしています。母親学級や妊婦健診の時に夫や家族も一緒にくれば本人だけじゃなくて夫や家族にも一緒に説明を聞いてもらったり、夫には『だんなの心得』という話をしたりしています。もしも何かトラブルが発生した場合には、その場で迅速に対応するしかないですね。

田中:先生は産婦人科のどういう領域をやっているんでしょうか?
鶴田:初診は何でも診て、専門治療が必要な方は紹介しています。人口100万人規模の県だと子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌などの婦人科癌の症例数は年間50例ずつくらいなんです。その症例が一般の病院で分散してしまうよりも、大きな病院に症例を集めたほうがメリットがあるので、そのくらいの規模の県だと基本的には2つくらいの病院に症例を集めます。
田中:専門的なことをやりたいと思ったことはありますか?
鶴田:興味はありますが、自分の産婦人科医としての存在意義は受診への敷居を低くすることだと思っています。専門的な治療をすること以上に、多くの女性に自分の体に興味を持って、自分の体を正しく理解してもらうことを目標にしています。
田中:イメージとしては産婦人科の家庭医という印象でしょうか?
鶴田:そうですね。病院の役割としては、外科や小児科もあるので総合病院として求められる部分もありますが、うちの病院は『赤ちゃんにやさしい病院』を目指して母子同室にしたり、母乳育児に取り組んだり、患者さんとゆっくりお話したりすることに力を入れているので気に入っています。
 また、私のやりたいことの一つに漢方がありますが、上司がそのこともきちんと認めてくれていて応援してくれています。
 私は勤務医ですが、自分がやりたいと思っている医療を実践しやすい環境にあると思っています。他所の病院にも行ってみたい気持ちもあるけれど、私にとっては今の病院が良い病院です。

田中:山梨県も産婦人科医不足だと思います。今の状況についてお聞かせください。
鶴田:最近では患者さんが理解を示してくれていることを実感することがあります。例えば、事情があって外来を1人で回している時に「今1人しか医師がいないので時間がかかります」と貼り紙をしておくと、子どもを連れていても我慢して長く待っていてくれたり、「待ち時間が長くて大変だったけど、先生も忙しいんですね」と言ってくれたりします。やはりメディアの力は大きいですね。医師が少ないから仕方ないんだなと認知され始めていますし、この状況を理解した上で受診に来てくれています。理解されてきているなと感じるのはここ1年くらいです。
 自分が働いている病院は伸びしろがあって良い病院だと思っているので全国のどこからでも一緒にやってくれる人がいたら、ぜひ来てほしいです。今3人でやっていますが、それが5人になるだけでだいぶ幅が広がります。もっと急患をうけられるようになるということもありますが、目標にしている性教育の取り組みも学校や地域に出て行けるようになります。あと、セミオープンシステムといって妊婦健診は診療所や開業医で行ない分娩は病院に集約するという方法があります。うちは同じ法人内に診療所が5つあります。そこを使ってセミオープンシステムを展開することができるようになります。山梨県は分娩を扱う施設が甲府市内を中心に集まっているので、通院に一時間以上かかる方もたくさんいます。少しでも近いところに出向いて妊婦健診を行なうことができれば、妊婦さんも楽だし安心できます。山奥から小さい子どもを連れながら時間をかけて妊婦健診に来るお母さんもいます。なんとかしたいと思っています。都会には都会の大変さがありますが、山梨の場合、地方特有の大変さがあります。医師の偏在というレベルではなく、全くいない地域がたくさんあるんです。

田中:育児と仕事との両立で苦労したことはありますか?
鶴田:夜泣きをすごくする子だったので大変でした。職場復帰してフルタイムで働きだしてから夜泣きをされると、毎日当直をやっているようですごく辛かったです。夜通し起きているわけではないんですが、起こされてあやして、その後眠れなくなってしまって、また起こされて、また次の日も同じように眠れなくて、ということをずーっと繰り返していました。この時期はとても辛かったです。

田中:最後に医学生や医学部志望の読者に向けてメッセージをお願いします。
鶴田:最近、学生と話をしていると自分が『やりたい』とか『○○を学べるから』という理由で動いている方が多いなと感じています。それは良いことでもあります。しかし、どこの高校や大学にするかとか、服やホテルを選んだりすることと、医者になり自分の専門を選ぶということは違うのかなと思います。
 私が産婦人科を選んだのは、私を求めてくれているところで働きたいという思いが大きく影響しています。『自分に』良い研修を与えてくれる病院を探すことも大切ですが、『自分が』患者さんや病院、地域にどんなことを還元できるのか、自分がどんなスキルを身に付けて、尚且つそれをどう還元できるのかを考えないと軸の無い医師になってしまいます。
 恐らく皆さんの多くも『人の役に立ちたい』と思って医師や医学部を目指していると思います。でも、高学年になるにつれその時の思いを忘れ、いろんな情報や流れに翻弄されてしまいがちです。医師の本質は人の役に立つことだと思うのでその思いは忘れないでほしいです。どうして自分は医師になりたいと思ったのか、どういうことでみんなの役に立つことができるのかと考えることを大事にしてください。
 産婦人科は、今は訴訟などで萎縮して敬遠されがちですが元々は人気の高い科でした。少しでも産婦人科に興味があれば、見学や実習にぜひ来てください。新しい命が産まれて、この世界に人が増えるということは他の科にはないことです。そういう他にはない魅力がある科ですので、ぜひ産婦人科医が増えてほしいと思います。
田中:貴重なお話をありがとうございました。

患者さんの声◆
村松由紀
(むらまつ ゆき)さん 蒼唯(あおい)ちゃん

─産婦人科医が足りないと言われていますが、出産を通して実感しましたか?
 最初は個人医院に通いましたが、私が薬のアレルギーがあるため総合病院を勧められました。他の病院も調べてみましたがどこも一杯で、周りでも「断られた」という話をよく聞くので、お産のできる病院が見つかってほっとしました。
 評判の良い先生のところでとか、お産に対する考えが合うところで産みたいと思うのが普通ですが、今は病院を選べないですね。結果的に自分に合った病院で産めて、私はラッキーだったと思っています。

─鶴田医師の印象は?
 私は、男性医師が担当することに少し抵抗があったので、鶴田先生を担当医にしてもらいました。知り合いの看護師から出産経験があることを聞いていたので、お産の痛みとか不安なども理解してもらえるとも思いました。じっくり話を聞く先生なので、外来の時はいつも混んでいましたが「それでも待つ!」と思ってかかっていました。

─患者として医学生に期待することは?
 やはり、いざという時に頼りにするのは医師ですので、しっかりと専門を身に付けて心のケアもできる医師になっていただきたいです。心のケアも、医師が増えてゆとりが持てないとできないですよね。大変だとは思いますが、勉強を頑張って医師になってください。


上司から見た鶴田医師◆
深澤喜直
(ふかさわ よしなお) 甲府共立病院 産婦人科 科長 (弘前大学96年卒)

─上司から見て鶴田医師の印象は?
 患者さんへの対応の仕方では、一人一人の方を大事にしてじっくりやっています。ときどき大変そうなときもあるけれど、そこは曲げず大事にしていますね。先日精神科に関わる症例がありました。すごく難しいケースでしたが、鶴田医師がじっくり話を聞くことによってスムーズに精神科にコンサルトすることができ、患者さんも納得して精神科に受診してもらうことができました。この症例は鶴田医師だからこそ解決することができたと思いました。
 研修面では産婦人科医としての技術や知識もだいぶ身に付けてきています。当直にも入ることができるので助かっています。

─鶴田医師は「上司が理解してくれている」と言っていました。
 このご時世、育児をしながら産婦人科医師としてやってくれていること自体がすごいことだと思います。実際、私も子育てをしながらやっていますが、妻が専業主婦として子育てをしてくれているのでできています。鶴田医師は夫婦ともに医師ですから、すごく大変だろうなと想像できます。

─鶴田医師に期待することは?
 もう少し研修を進めてさらに技術や知識が身に付いてきたら、その後は『これは誰にも負けない』という分野を身に付けていってほしいです。それはもちろん漢方でも良いですし、何でも良いと思います。

─医学生に期待することは?
 産婦人科は医師が5人程いると忙しくても緩急をつけて働くことができます。今は3人なので何かの事情で一人でも欠けてしまうとどうしようもなくなってしまいます。産婦人科は命が生まれる瞬間に関わるとても魅力的な分野です。一人でも良いので増えてほしいと思っています。一人で不安なら友達も誘って大勢で産婦人科に来てください。

鶴田 統子
つるたのりこ●医師 富山医科薬科大学(現富山大学)2004年卒 岐阜県出身
2006年に長女を出産。その後、育児休暇をとり2007年から職場復帰。

インタビューを終えて

田中 悠子(たなか・ゆうこ)●横浜市立大学医学部5年

 鶴田先生はとても笑顔がステキで患者さんにも優しいんだろうなあと思わせる雰囲気がありました。妊娠、出産を経て現在も仕事と子育てに奮闘する姿がとてもよく伝わってきました。大変なことも辛いことも、ありのままに話してくださいました。お子さんの夜泣きの時は、毎晩当直みたいな感じで体力的にもとてもしんどかったこと、当直で家にいないことが多いためか2歳にも満たないのにお子さんが「とうちょく」という言葉を使うことも聞かせていただきました。その話の中で鶴田医師の切ない気持ちも感じとることができ、同じ女性として、医師になる者として複雑に思いました。
 現在は検診の普及に力を入れているそうです。地方では婦人科の医師もまだ男性が多く、婦人科への敷居が高いそうです。しかし、鶴田先生のような女性医師がいることで若い女性も婦人科にかかりやすくなっているといいます。そこに自分の求められる役割があるときっぱり話す先生はとても頼もしいと思います。
 私も自分がやりがいを感じられる医師になりたいと思いました。
 どうもありがとうございました。



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