民医連の副作用モニター
■副作用モニター情報(151)
全日本民医連薬剤委員会

A型インフルエンザ感染症に対するシンメトレル使用実態調査の結果より


 昨冬ある県連では、インフルエンザが猛威を振るい始めた12月末より、シンメトレルの使用が急速に広がりました。99年1月には、センター病院で700人、診療所でも、多いところで200人を超える患者に処方されました。医師へのアンケート調査と、使用実態調査の結果についてお知らせします。
 使用患者は各年代にわたっており、各年代ごとに無作為に抽出した約1割の患者について、カルテ調査と聞き取り調査を行いました。78人のうち、使用上の注意に明記されているハイリスク者への使用はわずか23%、発症後48時間以内の使用開始は50%でした。医師アンケート(回答数40)でも、48時間以降でも症状が重ければ使用するとの回答が6人、さらにインフルエンザがA型であるかどうか特に気にしないという回答が6人あり、処方実態を裏付けるものでした。
 抗生剤との併用例は62%あり、シンメトレルを使用することで重症化を防いだり、使用薬剤を減らしたりという効果は期待できず、安易に使用されている傾向が見られました。
 使用にあたって、精神神経系の副作用や、腎障害などには注意が払われていました。インフルエンザワクチンの供給不足や、接種方針を曖昧にしてきたことが、シンメトレルの多用につながった原因の一つと考えられます。
 多くの医師がサーベイランス情報をもとにA型インフルエンザと診断していますが、確実・簡便な診断方法の実用化が望まれます。また、マスコミによる宣伝の影響か、患者から処方を強く求められるケースもあり、説得しきれず処方してしまうケースもありました。受験生、またはその家族からの希望、これに対する配慮もありました。
 医師への使用上の注意の徹底と同時に、患者への正しい情報提供が必要です。
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