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全日本民主医療機関連合会   会長  藤末 衛

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 私たち全日本民医連は、1953年の結成以来、「いのちの平等」を掲げて差額病床をもたず、地域の人びとの切実な医療要求に応え、人権を守るために社会保障の充実を求めて運動してきました。そして、大切な生命と健康を破壊する戦争に反対し、平和を守る運動にとりくんでいます。現在、北海道から沖縄まですべての都道府県に事業所があり、その数は1,700ヶ所を超え、病院や診療所、薬局、介護事業で、保健・予防から治療、在宅ケアまで展開しています。各地域では、共同組織とともに、いつまでも住み続けられるまちづくりの運動を進めています。
 この10年は「構造改革」が荒れ狂いました。社会保障費の毎年2200億円削減と営利市場化は国民生活に深刻な影響を与え、「貧困と格差」が拡大しました。「保険あって、医療・介護なし」といわれるように、国が社会保障、医療制度そのものから多くの国民を排除しました。一方で、政、官、財ぐるみでメディアや学者を動員して「自己責任論」を振りまき、自己負担増と営利化の中で、患者、利用者が消費者に置き換えられ、医療や介護を「商品」と考える傾向も生まれました。
 これらに対し、全日本民医連は対抗軸として「医療・介護再生プラン」に示される新しい福祉国家像を掲げて、権利としての社会保障を貫き、現場で起きている事実にもとづいて反撃してきました。全国的に医師、看護、介護ウェーブを巻き起こし、特に全体の突破口として医師増員を位置づけ、ついに今年までで医学部定員1221名増をかち取りました。医療運動史に残る成果です。
 全日本民医連は、2010年2月に開催した第39回民医連定期総会で、新しい民医連綱領を決定しました。旧綱領を掲げて半世紀、私たちはそれぞれの時代のたたかいや試練があるたびに、綱領の見地から議論し、方針をつくり、実践し、振り返ってきました。そして、この間、共同組織とともにすすめてきたゆたかな実践とたたかいの中で鮮明になったのは、憲法9条と25条の重要性です。今、粘り強い運動を推し進めれば、国民の力で政治や医療、社会保障政策を変えられる時代にきています。2010年代は、新自由主義的な構造改革路線を抜本的に転換し、憲法が輝く新しい日本をめざす時です。政治の転換点を迎えた今こそ、人権を機軸に、憲法実現を新しい民医連綱領の正面に据えて、すべての人が等しく尊重される社会をめざす新たな羅針盤としていきます。
 結成50年を超える歴史をもつ民医連は、今後も「いのちの平等」をめざし、患者・国民の皆さんとともに、医療・社会保障を守り発展させるために、幅広い共同をすすめながら全力を尽くして参ります。

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