全日本民医連
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全日本民主医療機関連合会規約

規約

(規約前文)

 第一次大戦後、世界の労働運動の高まりの中で、わが国でも労働者・農民の解放運動が昂揚した。これらの民主運動、労働者・農民運動にたいして、天皇制権力の野蛮な弾圧が強行され、この解放運動にたずさわる多くの人びとがその犠牲になった。
 また、当時労働者・農民は医療から見放され、無権利にひとしい状態におかれていた。
 1929年、天皇制政府は国民の自由を根こそぎ奪う目的で、死刑を導入するなど治安維持法の改悪を帝国議会で強行した。
 解放運動犠牲者救援者はこれに反対し、労働者・農民解放運動のためたたかった犠牲者の救援と無産者医療のために、全国に「労働者・農民の病院をつくれ」とアピールし、無産者診療所運動が始まった。
 1930年、東京・大崎に無産者診療所が全国の労働者・農民の貴重な拠金によって建設され、以後の11年間に、全国各地に1病院、23診療所が設立された。これらの無産者診療所は1936年、日本無産者医療同盟を結成した。そのほか激しい弾圧によって設立に至らなかったものの、設立準備会の組織のつくられたところは、北海道から沖縄まで20数道県におよんだ。無産者診療所は各地方で活発に活動したが、政府のはげしい弾圧によってつぎつぎに閉鎖され、最後まで奮闘した新潟の2つの診療所も1941年、ついに閉鎖された。
 この運動は、労働者・農民解放運動の一環として位置づけられ、天皇制政府がアジア各国に15年続けた侵略戦争の暗黒下、戦争に反対し政治的自由を求めたたかう人びとを救援する医療機関としての役割をはたした。
 また、この運動は労働者・農民と先駆的な医療従事者との共同した事業であり、医療そのものを労働者・農民のものとする医療民主化の運動として、日本の医療史のうえで画期的なものであった。
 1945年8月15日、天皇制政府はポツダム宣言を受け入れ、連合軍に無条件降伏した。
 廃墟と化した国土は、飢餓と失業、病気に苦しむ人びとがあふれ、医療も荒廃した。戦前無産者診療所の活動に参加していた医師、医療従事者および民主的医師、医療従事者は、いち早く労働者・農民・勤労市民の民主的な組織運動と手を結び、民主診療所を設立した。治安維持法の撤廃により政治的自由をえた共産党など革新政党、労働組合は再建され、嵐のような勢いで民主化運動が広がった。この時期、国民主権、人権尊重、議会制民主主義、戦争放棄と恒久平和、地方自治の五原則をうたう現憲法が制定された。
 ベトナム、朝鮮、中国などアジアにおける社会主義国の出現に直面したアメリカは、ポツダム宣言をふみにじり、日本をアジアにおける最大の軍事基地とする方向に占領政策を転換した。このことは医療面にも影響をもたらし、戦前からの医療の公共的性格を軽視するおくれた日本社会の後進的体質を温存させた。
 このような中で、民主的な医療運動は急速に全国に広がった。国立医療機関や多くの産業からレッド・パージされた医師や医療従事者、労働者の参加によって民主医療機関の数は飛躍的に増加した。1953年6月7日、全日本民主医療機関連合会が結成され、綱領を決定した。その後安保闘争をはじめ全日本民医連は多くの実践を重ねる中で、全国的な経験を民主的に総括し、1961年現綱領を決定した。
 この綱領により全日本民医連に加盟している病院・診療所の基本的性格は「働く人々の医療機関である」とし、民主的で階級的な医療機関であることを明確にした。
 また綱領は五つの政策・方針を掲げ、この目標を実現するために医療戦線の統一、独立・民主・平和・中立・生活向上をめざすすべての民主勢力と手を結んで活動していくことを明らかにした。
 民医連綱領のもとに結集した民医連運動は、広範な日本の労働者階級、農民・市民階層の支持をうけ、共同して大きな発展をしてきた。今日では全国すべての都道府県に全日本民医連に加盟する病院・診療所が設立され、国民医療の一翼を担い、これらの病院・診療所はすべての国民が差別なく十分な良い医療をうけられるよう、医療民主化のために闘っている。
 われわれは民医連綱領実現のために、団結をかためなければならない。全日本民医連の規約はこの団結の基準であるとともに、全日本民医連に加盟する病院・診療所の任務達成の活動を保障する役割をもつものである。

(名称・所在地)

第一条
 この会は全日本民主医療機関連合会といい、略称を「全日本民医連」、英語名Japan Federation of Democratic Medical Institutions.国際的呼称は「MIN―IREN」とする。事務所を東京都内におく。

(組織)

第二条
 この会はこの会の綱領、規約を承認する都道府県民主医療機関連合会(以下「県連」という)および直接加盟医療機関をもって組織する。
 県連に加盟する事業所は、この会の綱領、規約を承認しなければならない。

(目的)

第三条
 この会はこの会の綱領の実現を目的とする。

(活動)

第四条
 この会は前条の目的を達成するためにつぎの諸活動をおこなう。
  1 県連、および直接加盟医療機関にたいする指導、援助
  2 講習会、研修会および交流会の開催
  3 人事の交流、職員教育および養成
  4 全国的、地方的な統一行動
  5 災害救援および民主的諸闘争にたいする医療支援
  6 調査研究
  7 機関紙誌および資料の発行
  8 医療団体、民主団体および労働組合との連携
  9 諸外国の医療団体と友好提携
  10 その他、この会の目的達成に必要な活動

(機関)

第五条
 この会につぎの機関をおく。
  総会(決定機関)
  評議員会(決定機関)
  理事会(執行機関)
  四役会議(執行機関)

(総会)

第六条
 (1)総会は、この会の最高機関で、代議員および役員をもって構成し、代議員の3分の2以上の出席によって成立する。
 (2)代議員は、県連、直接加盟医療機関によって、加盟事業所の役・職員ならびに県連の役・職員から選出する。代議員の定数は別に定める。
  この会の役員は、代議員になることができない。
 (3)総会は隔年1回、2月に会長が招集する。
 ただし、とくに必要がある場合は、2カ月をこえない範囲で招集の時期を変更することができる。
 (4)総会の議決は、代議員によっておこない、とくに定めた事項以外に出席代議員の過半数の賛成を必要とする。
 (5)総会の運営は議事運営規定による。
 (6)評議員会が必要と認めたとき、または県連の3分の1以上の要求があったときは、臨時総会を開催する。臨時総会の運営は総会に準ずる。
 (7)総会はつぎの事項を決定する。
  1 綱領、規約の改廃にかんする事項
    ただし、この事項の議決は、出席代議員の3分の2以上の賛成を要する。
  2 運動方針にかんする事項
  3 予算、決算および会費にかんする事項
  4 国際的とりきめにかんする事項
  5 評議員および予備評議員承認にかんする事項
  6 役員選出にかんする事項
  7 その他必要な事項

(評議員会)

第七条
 (1)評議員会は、総会につぐ機関で、総会から総会までのあいだの必要事項の決定と、理事会の執行についての承認をおこなう。
 (2)評議員会は、評議員と役員で構成し、評議員の3分の2以上の出席によって成立する。ただし、会計監査はのぞく。
 (3)評議員および予備評議員は県連の役員から、各県連ごとに選出し、総会で承認する。
 評議員および予備評議員の任期は2年とする。ただし、再選をさまたげない。
  評議員および予備評議員の定数は別に定める。
 (4)予備評議員は、評議員がやむをえず評議員会に出席できないとき評議員に代って出席する。この場合、予備評議員は評議員とみなす。
 (5)評議員会は評議員から議長1名、副議長若干名を互選する。議長は評議員会を代表し、評議員会を運営する。議長および副議長の任期は改選によっておわる。副議長は議長を補佐し、議長事故あるときはこれを代行する。
 (6)評議員会は6カ月に1回以上会長が招集する。評議員会の議決は、評議員によっておこない、出席評議員の過半数の賛成を必要とする。
 (7)評議員および予備評議員に欠員を生じたときは、当該県連が選出し、評議員で承認する。欠員補充の任期は前任者の残任期間とする。
 (8)評議員の3分の1以上の要求があったときは評議員会を開催する。
 (9)評議員会はつぎの事項を決定する。
  1 総会の運動方針にもとづく活動方針
  2 総会から委任された事項
  3 諸規定の制定および改廃にかんする事項
  4 年次会計報告、補正予算および臨時分担金の徴収に関する事項
    ただしやむをえざる場合、総会の決定にもとづいて総会が招集されない年次の予算、決算および会費に関する事項
  5 県連の加盟、脱退および統制にかんする事項
  6 役員の処分
  7 その他の事項
    ただし4、5、6号については次期総会の承認を要する。

(理事会・四役会議)

第八条
 (1)理事会はこの会の執行機関として決定機関の議決事項と緊急事項の執行にあたる。
  理事会は総会および評議員会の方針にもとづき、運動の推進をはかるため、経験と成果を集約し、各県連および直接医療機関にたいする指導、援助をおこなう。
 (2)理事会は、この会の役員をもって構成する。ただし会計監査はのぞく。
 (3)理事会は、2カ月に1回以上会長が招集し、構成員の3分の2以上の出席によって成立する。議決には出席者の過半数の賛成を必要とする。
 (4)理事会はつぎの事項を執行する。
  1 総会および評議会の方針にもとづく活動計画
  2 総会および評議員会から委任された事項
  3 諸規則の制定および改廃にかんする事項
  4 直接加盟医療機関の加盟、脱退および統制に関する事項
    ただし、この号については次期評議員会の承認を要する。
  5 他団体への加盟、脱退にかんする事項
    ただし、この号については次期評議員会の承認を要する。
  6 理事会の諮問機関としての各種委員会の設置と委員の任命
 (5)四役会議は、理事会から次の理事会までの間の会務の執行を行う。ただし、四役会議の決裁事項は直近の理事会に報告し、承認を受けるものとする。
  四役会議は、会長、副会長、事務局長、事務局次長をもって構成する。
 (6)理事会は必要に応じて名誉役員および顧問をおくことができる。名誉役員および顧問は理事会に意見をのべることができる。名誉役員および顧問にかんする規則は理事会が定める。
 (7)理事会は、会務を日常的に執行するため事務局を設ける。
 (8)理事会は県連を強化し、県連間の連携をすすめるために地方別に県連の協議会をおくものとし、理事会が必要な会議を招集するなど指導にあたる。

(役員)

第九条
 (1)この会はつぎの役員をおく。
  1 会長 1名
   会長はこの会を代表し、総会、評議員会、理事会を招集し、この会の活動を統轄する。
  2 副会長 若干名
   副会長は会長を補佐し、会長事故あるときはこれを代行する。
  3 事務局長 1名
   事務局長は事務局を統轄する。
  4 事務局次長 若干名
   事務局次長は事務局長を補佐し、事務局長事故あるときはこれを代行する。
  5 理事 若干名
  6 会計監査 3名
 (2)役員は加盟事業所の役・職員ならびに県連の役・職員および全日本民医連の専任役・職員から選出する。
 (3)役員の任期は2年とする。ただし再選をさまたげない。
 (4)副会長や事務局次長に欠員が生じたときは、評議員会は必要に応じて理事の中から補充することができる。理事に欠員が生じたときは、評議員会は必要に応じて補充することができる。
  ただし、この事項については次期総会の承認を要する。
 (5)会計監査は年2回、この会の会計を監査し、総会、評議員会に報告して承認をうけなければならない。
 (6)会計監査は、評議員会、理事会に出席することができる。

(事務局)

第十条
 事務局に事務局員を若干名おく。
 事務局員は理事会の承認をへて会長が任免する。
(県連・直接加盟医療機関)
第十一条
 (1)同一都道府県内に3カ所以上、この会の綱領、規約を承認する医療機関が存在する場合、県連を結成する。
 (2)県連を結成するにいたらない地方においては、この会の綱領、規約を承認する医療機関は直接加盟医療機関として活動する。
 (3)同一県内に全加盟医療機関が単一組織(法人)をつくっている場合、当該単一組織を県連とすることができる。
 (4)県連は全加盟事業所を結集し、この会の機関の決定にしたがい、この会の目的の達成のために活動する。
 (5)県連および直接加盟医療機関は、この会の機関にたいし、提案、質問の権利をもつ。
 (6)県連および直接加盟医療機関は、運動の経験と成果を集中し、この会の運動の創造的発展に努力する。
 (7)県連は定期的に総会をひらき、この会の諸決定を実行するために、具体的な活動方針を決定する。
 (8)県連は理事会および事務局を設ける。
 (9)県連は地方的な交流や協力のために理事会の承認をへて2つ以上の県連にわたる地方的な連絡会議を設けることができる。
  この連絡会議には、当該地方の直接加盟の医療機関をふくめる。
 (10)県連は事業所の加盟、脱退の決定にあたってはあらかじめこの会と協議し、会の承認をうる。

(統制)

第十二条
 (1)この会の綱領、規約、運動方針から逸脱し指導にしたがわない県連は、評議員会が処分をおこなうことができる。
  この処分内容を総会に報告し、承認を求める。
 (2)この会の綱領、規約、運動方針から逸脱し指導にしたがわない直接加盟医療機関は、理事会が処分をおこなうことができる。
  この処分内容を総会に報告し、承認を求める。
 (3)処分は警告および除名とする。
 (4)この会の評議員会からの処分をうけた県連は、総会に不服申立てをすることができる。
 (5)この会の理事会から処分をうけた直接加盟医療機関は、評議員会さらに総会に不服申立てをすることができる。
 (6)県連から処分をうけた事業所は、この会の評議員会、さらに総会に不服申立てすることができる。
 (7)前項の不服申立てをうけた総会または評議員会は、この処分の当否について公平に審議しなければならない。
 (8)除名をうけた県連に所属している加盟事業所は、直接この会に加盟の申し込みをおこなうことができる。
  この場合の加盟の承認は評議員会がおこなう。
 (9)この会の役員が会の綱領、規約、運動方針から逸脱し、決定にそむき会の名誉を著しく傷つけ、会に重大な損害を与えた場合、総会、評議員会が処分をおこなう。
  評議員会が処分したさいは次期総会に報告し、承認を求める。処分は解任とする。理事会は解任理由を明示する。処分をうけた役員は総会で不服の申立てをおこなうことができる。

(財政)

第十三条
 (1)この会の財政は、会費、事業収入、寄付金および出資金をもってあてる。ただし、必要な場合は臨時分担金を徴収する。
 (2)出資金については、別に定める規定による。

(会費および諸規定)

第十四条
 (1)県連および直接加盟医療機関は、別に定める規定により毎月会費を納入する。
 (2)本会の会計規定および会計監査規定は別に定める。
 (3)一定期間会費を滞納した県連については、理事会は当該県連の事情を調査し、評議員会に報告する。

(会計年度)

 この会の会計年度は1月1日にはじまり、12月31日におわる。

付則

(医療機関に準ずる組織の規定)

 第二条の改訂にともない、付則、医療機関に準ずる組織の規定を廃止する。

(施行期日)

 この会の規約は2004年2月28日から施行する。

(1953年6月6日制定)
(1957年6月9日改正)
(1958年6月22日改正)
(1959年6月22日改正)
(1961年6月18日改正)
(1965年7月18日改正)
(1967年6月18日改正)
(1968年7月28日改正)
(1970年7月19日改正)
(1971年7月25日改正)
(1974年2月17日改正)
(1976年2月22日改正)
(1986年2月22日改正)
(1992年2月29日改正)
(1998年2月28日改正)
(2000年2月26日改正)
(2002年2月23日改正)
(2004年2月28日改正)

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