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民医連新聞 2002年11月01日 1291号  全日本民医連

手づくり離床センサーで転倒・転落を予防できた

富山協立病院・西3階病棟

 第6回看護活動研究交流集会で「転倒・転落」の防止策を報告した富山のとりくみを青山美春(看護部長)に聞きました。

(編集部)

 抑制廃止が提唱される中で、抑制せずに患者の安全を守るという視点をもたなければなりません。離床センサーを使用して、転倒転落事故を未然に防ぐことができました。

 当院では、医療型療養病棟を2000年9月に開設。入院する患者の87%がADL全般に何らかの介助を必要としています。
 2000年9月から2001年3月までの7カ月間についてベットサイドでの転倒転落事故の件数をヒヤリハットを含めて調査した結果、32件で、6.5日に1件起きていることがわかりました。
 転倒件数を年齢別に見ると、65歳から79歳までが9件、80歳以上では23件に急増。転倒転落の誘因は、「徘徊しようとした」53%、「介助が必要なのに1人でベットからポータブルトイレや車椅子へ、逆に、車椅子、ポータブルからベットへ移ろうとした」が41%。「柵を乗り越えた」6%でした。時間帯は早朝〜10時、17時から深夜帯に多いことがわかりました。

 
 

離床センサーの使用で転倒転落が減少
 そこで、スタッフの手薄になる時間帯に離床センサーを使い、痴呆や徘徊のある患者がベットから降りようとしていることを事前に発見することで、転倒・転落を未然に防ぐとりくみを開始しました。離床センサーとは、患者さんの体動によりセンサー(洗濯ばさみ)がはずれるとナースコールが鳴るしくみです()。
 痴呆があり、ナースコールを押すように説明しても理解できない人、以前に転倒転落の経験がある人10人を対象に臨床センサーを使い、2カ月間の調査を行いました。離床センサーは、患者さんの行動パターンを調べ、検知したい場所につけ、スタッフ間で情報交換ノートをやりとりして、現状の把握と改善を行いました。
 その結果、離床センサーを使用した患者さんの転倒転落は1件もありませんでした。センサー未使用の人に関しては、3カ月で10件。減少傾向を示しました。しかし、高齢者の転倒転落事故を皆無にすることは難しいことだと思います。
 その他、離床センサーを使うことで、良かった点は「スタッフの夜間の不安が軽減された」「事故を未然に防ぐことができた」など。問題点は、「患者の理解が得られず、怒る人もいる」「少し動いただけでセンサーがはずれ、ナースコールが鳴ってしまう」「患者さんが違う場所に付け替えていたり、はずされていたりする」などでした。対策として、患者の目につきにくいベット下に配線をしたり、1日1回センサーの点検を行うなど改善し、トラブルの解消につとめました。

離床センサーを過信せず患者さんをよく見て
 離床センサーは、転倒転落事故を予防することができます。しかし、離床センサーを過信してはいけません。
 転倒するかどうかの患者さんの見極めが大切です。また、行動パターンの把握、頻回に訪室し、確かめること、入院生活上の環境整備やトイレ動作に関連したADL訓練、昼間に気分転換や身体的運動を行ってもらい、夜間は質の良い睡眠をとってもらうことが総合的に行われて事故防止につながると考えます。

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