全日本民医連
自己紹介 医療・福祉 平和のとりくみ 医系学生のページ
共同組織のページ 出版物 会員ページ リンク
いつでも、どこでも、だれもが安心して良い医療と福祉を
Home Back Site map
民医連新聞 2005年1月17日 1348号  全日本民医連

連載
安全・安心の医療をもとめて(32)

“お食事カンファレンス”で誤嚥・窒息のリスクに対策

 京都・北病院では、誤嚥・窒息の危険を少しでも回避するために、多職種が参加して「お食事カンファレンス」を毎日行っています。同院リハビリテーション室主任の福田千代さんに聞きました。

 介護療養型の当院では、利用者が自分で、楽しく食べることをできるだけ尊重し、援助しようという方針でとりくんできました。しかし、障害を持つ高齢者の食事には、常に誤嚥・窒息の危険が伴います。「入院直後からの迅速な評価と対策、多職種での評価・共有、確実に対策を実行するには、どうすれば?」と、話しあい、考えだされたのが、すべての利用者が対象の「お食事カンファレンス」です。〇三年三月にスタートしました。
【誤嚥・窒息リスク度】
正常
…誤嚥・窒息の既往があるが、姿勢・食事形態の工夫などによって、ムセなく食事ができている
…姿勢・食事形態の工夫などを行っているが、常に見守りが必要な状態である
…何らかの対応を行っているが、1回の食事中に数回以上ムセがある

カンファレンスの流れ

 同カンファレンスは毎日、昼食の配膳後に行っています。対象は、その日入院した方。入院時、病棟管理者が食事カンファレンス書記録に、窒息・誤嚥性肺炎の既往があるかどうか、食事情報など事前情報を記入してあります。加えて、前日の判定で再評価が必要な人、入院中に問題が生じたと提起があった利用者さんなどがその対象です。
 誤嚥・窒息のリスクは「正常」「青」「黄」「赤」という四段階で(左項)判定し、食事面での安全対策の目安にします。対象者には所定のテーブルについて、食事していただきます。参加するのは、医師、病棟スタッフ、管理栄養士、リハビリテーションスタッフです。
 スタッフは食事の様子を観察し、誤嚥・窒息リスクを判定。つづいて個々の方に必要な対策を立て、その内容をすぐに、カルテや各人の食器・トレイなどに表示します。
 その後さらに一日、食事観察を行い、立てた対策が適切だったかどうかを確認することにしています。
 ちなみに、対策内容というのは、トロミ・ゼリー食などのような食事形態の変更、介助方法の確立、食器・食具の変更などです。
 また、おやつのような持ち込み食のチェックもしています。ご家族にも、リハ総合実施計画を交付する時に、院内の嚥下の学習グループがつくったオリジナルのパンフレット『安全な食事をするために』をいっしょに渡し、利用者さんの状態の説明や方針の確認、差し入れに適したおやつの例を説明するなど、情報提供します。
 「リスクはあっても希望を優先する」というケースでは説明内容と合意内容を医師記録に残します。

実践した結果

 このカンファレンスを始めて数カ月後、分析を行いました。二カ月間でのべ一一八人の判定・対策を行い、そのうち「赤」判定の方が四人、「黄色」判定は二四人でした。
 同時に職員の意識調査も行いました。食事カンファレンスについて「多職種で意見交換できる」、「リスクのある利用者を把握しやすくなった」、「入院後すぐ対策がたてられる」、「職員の知識・関心が高まる」といった意見が多数を占めました。開始のねらいだった「迅速な評価と対策」が可能になっただけでなく、職員のスキルアップにもつながったように思います。

Home Back Top
全日本民主医療機関連合会
〒113-8465 東京都文京区湯島2-4-4 平和と労働センター7F
tel.03-5842-6451 fax.03-5842-6460 e-mail:min-iren@min-iren.gr.jp