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民医連新聞2009年3月2日/1447号
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訪問看護でのセクハラ調査

京都・18施設113人にアンケート

「経験あり」看護師の過半数 “暴力”との認識で防止策を

 第九回看護・介護活動研究交流集会で、京都・葵会総合ケアステーションの土居今日子さん(看護師)が報告しました。

 看護の現場では身体援助が多いため、患者からのセクシャルハラスメント(セクハラ)が起きやすく、中でも訪問看護は、患者宅で一対一になる場面も多く、病院など施設内より発生頻度が高いと思われます。しかし実態調査はされていませんでした。そこで京都府にある訪問看護ステーション(ST)一八カ所の看護師一二九人にアンケート調査を行いました。

職場に報告してますか?

 セクハラの定義は「回答者がセクハラと感じた行為」とし、調査時点(二〇〇七年三月一〇〜三一日)で、過去五年間に経験した患者からのセクハラについて質問、一一三人から回答を得ました(うち男性四人)。
 セクハラを受けた経験では、「ある」が六五人(五八%)でした。病院に勤務する看護師の調査では「ある」が平均四四・三%という報告があり、それより高い傾向でした。訪問看護で多い理由としては、患者の自宅というパーソナルスペースに入る仕事であり、看護師が一人の場合が多いためと考えられます。セクハラの内容は「言葉によるもの」と「身体的なもの」が半数ずつでした。
 また、その時「どんな対応をしたか」を複数回答で聞きました。「本人に注意」が四二%で一番多く、「家族に注意」が四・七%、「ケアマネジャー等に報告」が八・四%でした。「その他」は七・五%で、「軽くあしらった」「位置を変えた」「手でブロックして阻止した」などが自由記載欄に見られました。
 「職場に報告した」人は三三%でした。報告を受けた職場の対応では「対処法の指導・提案」が多く、「状況の確認」「担当者を変える」「本人や家族に注意」「訪問を中止」などでした。全スタッフで検討したSTもありました。

グラフ

個人では解決困難

 一方、「何もしなかった」人が五・八%いました。その一人は、自由記載欄に「しかたない」と書いていました。
 看護師の場合「うまく対応できなかったからでは?」など、自分の責任として考えがちです。しかし、国際看護師協会や日本看護協会は「セクハラも暴力である」「看護師の権利を侵害するもの」と明言しています。個々の看護師は、その認識で職場に報告し、職場は事実関係を迅速かつ正確に確認し、適正に対処することが必要です。
 次に「セクハラ対応手順」の有無を質問しました。「ある」は一一%。「ない」は八五%、未記入四%でした。また「ある」と答えた人のうち、「役立っている」と答えた人は皆無で、「役立っていない」が八%、「どちらとも言えない」が九二%でした。セクハラ対応手順を作成している事業所は少なく、あっても「役立っていない」という実態でした。
 でも、現在「手順書がない」と答えた人のうち、五四%が「あったほうがいい」と答えています。「訪問看護という業務の中では、ゼロにするのは難しいので、対応についての指導、相談窓口が必要」という意見もありました。

役立つ手順書づくり課題

 二〇〇七年四月に改正「男女雇用機会均等法」が施行され、職場でセクハラ防止について必要な措置を講ずることが事業主に義務づけられました。方針と対処法を規定しておくことは必須です。セクハラで精神的なダメージを受けた場合のフォローも課題です。
 セクハラ防止は、看護師の働く環境を安全・安心、健康的に整備し、離職防止や良質な看護の提供にもつながります。厚生労働省や日本看護協会の指針※などを参考に、役立つ規定や手順書を作成することが課題だと思われます。

※「保健医療福祉施設における暴力対策指針〜看護者のために」

 

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