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民医連新聞2011年2月21日/1494号
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国保 再生のために

(2)資格証明書問題

08年から資格書発行をゼロに

「よくする会」地道な活動で

広島市

 広島市は二〇〇八年から、国民健康保険料の滞納者に対する「資格証明書」の発行数がゼロになりました。これは「広島市国保をよくする会」の長年の運動による成果です。同会事務局長の藤田冨男さんから、運動の経緯を寄稿していただきました。

 広島市は〇八年、資格証明書の発行基準を変更し「面談なしに市民の実情をつかまず、資格書を一律に発行することを事実上禁止」にしました。国保行政が悪くなる中でも、住民が力を合わせれば、自治体が「住民福祉」の役割を果たすことができることを実証したといえます。
 広島市の資格書発行数は、〇六年当時八六九二件で、国保加入世帯の四%でした()。「国保をよくする会」は〇一年に結成され、「払える保険料に引き下げよ」と「制裁措置の廃止」を掲げ、資格書発行の中止を要求し続けてきました。よくする会の特徴は、民商や民医連といった団体のほか、当事者(市民)が参加し、要求をもつ者として運動の先頭に立っていることです。息の長い運動を続ける四つのポイントを紹介します。

表

市を変えた4つの戦術

 一つ目は、〇三年に市の国保運営協議会に「公募の市民委員」を設置させたことです。それ以前は市がすべての委員を選んでいました。市長に繰り返し要請して二人が公募になり、「よくする会」の会員も委員になっています。公益代表委員の大学教授の道理ある発言も大きな力になりました。協議会では、当事者の声やNHK「クローズアップ現代」のDVDを観ての話し合いも行われました。
 二つ目は、資格書を発行された人や保険料滞納者の困難を実例で紹介してきたことです。たとえば「悪化するまで受診せず、救急車で運ばれたが手遅れで死亡」などの事例が、〇六〜〇七年で一八件ありました。九年間で二七回(四・六・一〇月と年に三回開催)におよぶ市との交渉で、こうした事例を報告しました。署名と市議会請願も再三行い、請願者自身が議会で趣旨を説明する制度を活用し、事例を示しました。請願は残念ながら「財政がない」などを理由に不採択でした。
 三つ目は、マスコミに実態を告発したことです。対市交渉や座り込みのたびに取材を依頼。NHKなどが取り上げ、市民からも批判の声が大きくなりました。
  四つ目は、自治体職員は住民の敵ではなく「味方」という視点で働きかけたことです。対市交渉では「地方自治法の精神で、憲法二五条を遵守した仕事をしてほしい」と訴え続けました。こうした中、市当局から「国保は社会保障である。また、国民皆保険をささえる最後の砦というべきもの」(市議会厚生委員会)という発言が出るまでになりました。
 この間、窓口一部負担金減免制度(国保法四四条)の充実も勝ち取りました。減免対象者は生活保護基準に照らして判断し、財産調査などを実施しない妥当な制度です。国保料の算定を「旧ただし書き方式」に変更する計画も中止に追い込みました。
 今後、こうした市独自の施策が国保広域化で無になる恐れがあります。国保会計に強くなり、国のたくらむ広域化を学習し、運動を強化することが大切です。

 

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