副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2004年11月1日

副作用モニター情報〈211〉 ティーエスワン(R)(テガフル・ギメラシル・オテラシルK)の副作用について

ティーエスワンR(テガフル・ギメラシル・オテラシルK)の副作用について ティーエスワンは胃癌、結腸・直腸癌、頭頸部癌の適応をもつ代謝阻害薬です。4~6月は色素沈着、血液障害、口内炎、味覚障害、食欲不振など13例の副作用が報告されました。
症例1)血液障害RBC・Hb減少
80歳男性。1クール目25㎎4錠3週間服用。1クール服用後RBC・Hb・Plt減少、2週間休薬。2クール目20㎎4錠を4週間服用。2クール終了後、血小板は回復しているが、赤血球回復せず。その後フルツロンへ変更。
症例2)涙道閉塞
70歳男性。白内障あり。ティーエスワン25㎎4錠投与開始。4週服薬2週休薬。3クール目で涙目あり。眼科で涙道閉塞と指摘。前後して色素沈着も発現。
症例3)色素沈着
59歳女性。アイソボリン・5FU注5クールによる色素沈着あり。2カ月後、ティーエスワン25㎎4錠投与開始。4週服薬2週休薬し2クール目で色素沈着悪化。角化症進行し眠気強く食欲不振。服用休止で改善。
 本剤の副作用は血液障害と皮膚や粘膜へのアレルギー症状が出現するようです。比較的早く血色素低下が出現し(ピーク1週間目)、白血球・血小板(ピーク 2~3週目)の障害が発現します。またこの前後に色素沈着・口内炎・食欲不振・下痢・涙目など皮膚や粘膜の症状も現れます。検査値だけでなく、全身症状から見極めることも大切です。皮膚・粘膜異常や消化器症状なら、自覚症状があります。定期的な検査はもちろん、患者に説明しておくことで、副作用を早めに察 知できるのではないでしょうか。
 外来での化学療法が伸びています。引き続き副作用モニターを強めていきましょう。

(民医連新聞 第1343号 2004年11月1日)

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