民医連新聞

2004年11月1日

医療・介護情報BOX 転倒対策にポータブルトイレを調査

山梨・甲府共立病院 転倒・転落対策チーム

 甲府共立病院・医療安全委員会の転倒転落対策チームでは、病棟ラウンドを行っています。九月に院内の「ポータブ ルトイレ」をチェックしました。報告書を分析すると、転倒は排泄時に多く発生しています。また院内には、ホームセンターなどでも手に入る簡単なタイプのも のから、肘掛け・背もたれ調節機能付きのものまで、何種類かの便器がありますが、その種類によっても安全性に差があります。

 そこで、病棟ごとに使われているポータブルトイレのタイプと数量、設置場所などを調査し、検討しました。

 総数は五九台、そのうち、肘掛け・背もたれ・調節機能のついたものは九台のみでした。座面も、ほとんどのものが 三五㌢で、患者さんに合うものがなかなか選べません。また一定期間だけ、夜間だけなど、ポータブルトイレの使用が少ない病棟ほど出し入れしやすい簡易タイ プ(=危険な)の便器を使用していました。

 危険事項としてあがったのは「座る時にトイレ自体が滑る」、「座って後ろに寄りかかる」、「座面が低くて立ち上 がれない」、「足元につまずきやすいものが置かれている」などです。またチーム内の理学療法士の指摘で、患者さんのマヒの状態やベッドとの位置を考慮して 設置することについてもあらためて指摘されました。

 この調査をうけて、安全なポータブルトイレの選び方、立ち上がりやすい高さ、ベッドとの位置関係、介助方法などをまとめ、冊子を作ることにしました。現在作成中です。

(民医連新聞 第1343号 2004年11月1日)

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