MIN-IRENトピックス

2012年9月6日

【声明2012.09.06】国会無視、国民無視の原子力規制委員会の人事案強行に断固抗議する

2012年9月6日
全日本民主医療機関連合会
会  長  藤末 衛

 野田首相は「原子力規制委員会」の人事について、今国会での同意を見送り、首相権限で任命 する方針を固めた。さらに、次の国会での事後同意を求めないことも検討している。規制委員会は高い独立性が求められるものであり、国会の同意を受けず、反 対世論も無視して人事案を強行することは、国会無視、国民無視の暴挙であり、断じて許すことはできない。断固抗議するとともに人事案の撤回を強く求める。

 原子力規制委員会は、福島第一原発事故の反省から、原発を推進する電力業界や経済産業省、 学会などの影響力を断ち切り、高い独立性が求められる。ところが、政府が提示した人事案は、過去の言動や経歴を見るとこの間、政府の原発政策を推進し、福 島第一原発事故を引き起こしたいわゆる「原子力ムラ」の関係者が多くを占め、到底受け入れられるものではない。野党7党は「原子力事業者等」を任命しない とした「欠格要件」に該当する疑いがあると指摘し、その解明を求めたが、いまだ政府から回答がない。

 今回の人事案については、民主党内からも異論が相次ぎ、同意に関する採決日程を先延ばして きた経緯がある。こうした中、国会閉会といって独断で委員の任命を強行するなど姑息な手段を取るべきでない。しかも、同意なく任命した場合、任命後の国会 で同意を得る必要があるのにかかわらず、「原子力緊急事態宣言が出ている間は同意を得る必要がない」という規定をタテに同意をしないことを検討している。 こんなことがまかり通れば、任命が既成事実化し、まさに国会と民意の無視と言わざるを得ない。

 政府の人事案が強行されれば、福島第一原発事故の教訓が全く生かされず、全国の原発の再稼働がなし崩し的すすめられ、再び原発事故を引き起こしかねない。
全日本民医連は、福島第一原発事故と同じ悲劇を繰り返さず、日本のエネルギー政策を脱原発の方向に転換するため、今回の人事案を撤回し、公正・中立・公開の原則に立って委員の選考をやり直すことを強く求める。

(PDF版)

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