民医連新聞

2004年11月15日

全国の仲間が救援に駆けつけた 新潟県中越地震

 震度7を記録した新潟県中越地震。一〇月二三日以降も強い余震が続き、被災者はいまも不安な日々を過ごしています。家の片づけもままなら ず、疲労で体調を崩す人も多くいます。被災地域にある、ながおか生協診療所と生協かんだ診療所には、全国の仲間が支援物資を持ってかけつけ、炊き出し、物 資の支給、健康相談などに力を合わせています。震災から五日たった一〇月二八日、医師や看護師、事務など四、五人で避難所などを回る医療班に同行しまし た。(荒井正和記者)

 長岡市郊外の栖(す)吉(よし)中学校に向かう道路は、亀裂や陥没だらけ、電柱が傾き、一階部分が倒壊した家が多くありました。その凄まじさに、皆驚きを隠せません。

 中学校には、住民一三〇〇人が一、二階の教室と体育館、校庭に停めた自家用車の中に避難していました。

 私たちは教室の戸を開け「健康相談に来ました」と被災者に呼びかけました。寝ていたおじいさんの付き添いの女性がすぐに近寄ってきて、「ずっと夫の便通 がない」と訴えました。「食欲がない。糖尿病もあるんです。何とか水分は補給していますが…」と不安そうです。

 大島宏二看護師は、おじいさんのお腹に手をあて、「安心して下さい。医師がもうすぐ来るので処置をしてもらいましょう」と励ましました。家でも寝たきり だったと聞き、「床ずれが心配。仙骨部がちょっと赤くなっています。体の向きを時どき変えると良い、座布団を下に敷くだけでも予防になります」とアドバイ スしました。

 教室を出て体育館で健康相談を受けていたその時、ドーン、ガシャンと大きな揺れが建物を襲いました。「キャー」という悲鳴があちこちで上がりました。

 「余震が収まれば元の生活に戻れる希望が出るのですが…。いまはどうしようもない。来てもらえて勇気がわいてきました」と、車イスの男性が班員に話しかけてきました。

 帰りがけ、被災者の面倒をみていた市の職員から「本当に助かりました」と礼を言われ、避難者たちから拍手が起こりました。

(民医連新聞 第1344号 2004年11月15日)

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