事業所のある風景

2014年2月15日

青森/社会福祉法人 虹 「いのちが大切にされる」架け橋に

 青森市は豪雪都市です。長い冬が過ぎれば、桜の便りが届く5月もあっという間に過ぎ、八甲田山のブナ林が清々しい季節を迎えるころ、短い夏を告げる“青森ねぶた祭”が、毎年8月2日から7日まで、300万人を超える観光客を迎え、華やかに開催されます。
 祭りが過ぎれば、いつしか秋を通り越して八甲田の山々が赤く染まり、また白一面の冬を迎えます。
 青森駅には、青函連絡船として北海道と本州を結ぶ大動脈として活躍した八甲田丸が係留され、また近くには大型ねぶたを展示している「ねぶたの家 ワ・ ラッセ」があります。そこから車で約15分の青森市の中心部に2010年10月にオープンしたショートステイ虹の郷(50室)、デイサービス虹のひろば (定員45人)があります。すぐ近くには民医連の仲間である、あおもり協立病院、協立クリニック、大野あけぼの薬局があり、周辺には学校や商業施設が立ち 並び、生活感あふれる「まち」としてにぎわっています。

建築時に工夫された館内

 施設内には、「500色の色鉛筆・500色の人生」をコンセプト にした大型パネルがあります。500人の利用者には500色の人生があり、1人ひとりの人生に寄り添い、穏やかに過ごしてもらえるようにと、利用者・ス タッフの笑顔や青森ねぶたの写真、自然豊かな風景写真などと500色の色えんぴつをコラボした、ちょっと自慢の平面オブジェです。
 また、最新のフィギュアから昔懐かしいものまで2000個のおもちゃを館内すべての柱に埋め込んでいます。利用者・スタッフが立ち止まる姿が時々みられ ます。「孫にプレゼントしたものがあるかもしれないな」「昔これほしかったのよ」と思ってくれたらうれしいですね。50年後の「このフィギュアの価値は?  存在は?」と思うだけで自然と心和ませてくれます。

信頼関係を築きながら

 医療依存度の高い利用者もいますが、あおもり協立病院と連携しな がら困難事例も受け入れ「もし万が一急変しても、24時間365日救急対応」で地域との信頼関係を築いています。オープンして3年ですが、利用者1人ひと りとの出会い、ふれあいが基本にあります。お互いの信頼関係を築き、初めて寄り添うことができることなど、多くを学んできました。
 生協組合員、各関連機関からのご指導と励ましもあり、利用者の笑顔が私たち職員に力を与えてくれます。今後も経験を糧に、実践のスキルアップをはかり、 チームで解決する力を身につけていきたいと思います。「いつでも、どこでも、誰もが」安心して利用できる介護・福祉のさらなる充実を目標に「いのちが大切 にされる」架け橋となる事業所をめざしていきます。
 事業拡大により「民医連って何?」という職員が多数を占めていましたが、今では、雨風の日も吹雪の日も青森保健生協とあおもり健康企画とともに、憲法9 条と25条は「世界の宝」、その灯を消すことのないようにと、毎月9日・25日の早朝街宣に多くの職員が楽しく参加しています。そして、介護ウエーブでも 街宣活動や、アピール行動にも若い職員が中心になり積極的に参加しています。

「何度でも利用したい」と思われるように

 また長い冬が到来しますが、虹の郷、虹のひろばでは1年を通して、明るく、楽しく、心温まり、穏やかに過ごせるような、そんな場所として、何度でも利用したいと思われるように、職員一同頑張っていきたいと思います。
社会福祉法人 虹 所長 阿部 雪子)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2014年2月号.No.498より

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