副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2005年4月4日

副作用モニター情報〈220〉 塩酸リトドリン(切迫早産治療薬)による白血球減少

 塩酸リトドリンの長期投与中に白血球減少(グレード3)を起こした例が報告されました。本剤による白血球減少は、重症 例は稀とされていますが、21日以上の持続投与や総量が5000mgを超える例での報告が文献上散見されます。今回報告された症例は、週1回のペースで血算を実施していましたが、4週目で急激に減少し、G-CSF製剤を適応外で使用し回復しました。長期、総投与量が4000mgを超えるようなケースでは、週2回程度の血算を実施するなど白血球数に注意し、3000/mmを切ったら早めに中止することが必要です。
症例】 25歳 妊娠30週
 切迫早産で、リトドリン錠15mg/日の内服を開始したが改善せず2日後に入院となる。リトドリン注100mg点滴静注開始し13日後200mgに増量。投与開始から29日目に白血球数が1500/mmとなり、リトドリン注を中止しズファジラン注に変更、さらにマグネゾールを追加、さらにノイトロジンを4日間使用し5500/mmまで回復し36週で退院。以後は経過良好、40週6日で正常分娩した。

投与期間(日)
3
15
22
29
     
〔中止後日数〕         〔4〕 〔9〕 〔16〕
リトドリン総量mg 400 1600 3000 4400      
白血球数(/mm3) 8500 6600 4800 1500 5500 8800 7700

(民医連新聞 第1353号 2005年4月4日)

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