民医連新聞

2005年4月4日

未来をになう主人公として力つけよう

全日本民医連会長 肥田 泰(ひだ ゆたか)

 入職おめでとうございます。みなさんは、医療・福祉のプロとして、早く「患者さん、利用者さんの役に立ちたい」「仕事を覚えたい」と希望をふくらませていることでしょう。
 一方で不安もあるのではないでしょうか。イラクに見る米軍の野蛮な戦争に日本が協力できるよう、憲法九条を変えようとする動きが強まっています。また、不況や災害などに強調される「自己責任」や医療事故が取りざたされています。

困難な人の立場にたって

 民医連には、みなさんといっしょに考え、行動する仲間がいることを、まず伝えたいと思います。社会も医療も人びとが手を組めば必ず良くすることができま す。これから出会う患者さんや障害をもった人びとのおかれた現実に、自分自身の目でしっかり向き合って下さい。
 戦争政策がすすむとき、社会保障制度は悪くされます。その影響は病人や障害者、経済的に困難な人びとが真っ先に受けます。
 民医連はいま、憲法をまもる運動を第一の課題にしています。憲法九条と二五条は平和で人間らしく生活する権利を保障し、民医連が五〇年間大切にしてきた「差別のない、人権を大事にする医療」の基礎になっているからです。
 医療・介護の安全性の向上にも、民医連は総力をあげています。人間がすることですからミスをゼロにすることはできませんが、ゼロに近づく努力を続けてい ます。しかし現場の人手不足や忙しさが阻んでいるのも事実。その背景にある国の政策についても知り、未来をになう主人公として、発言する力をつけていって ほしい。

民医連は連帯と共同の運動体

 民医連は、地域の住民とともに歩む組織です。三〇六万の友の会員や医療生協組合員(共同組織という)と、様ざまに協力しあっています。昨年の中越大震災 や兵庫の水害の際、いち早く現地の民医連事業所が救援を開始し、そこに全国から多数の職員や共同組織の人たちが駆けつけ、住民を支援しました。国際的に も、イラクへの医療支援や反核・平和のとりくみを通じて連帯しています。
 みなさんが様ざまな活動にロマンと喜びを持って参加できるよう、先輩職員はきっと手助けしてくれることでしょう。職場はチームワークの場です。先輩や仲 間、患者・利用者さんとも良いコミュニケーションを築き、健康にも留意し、規則正しい生活に心がけて、若い力を発揮してください。

(民医連新聞 第1353号 2005年4月4日)

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