副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2005年4月18日

副作用モニター情報〈221〉 αグルコシダーゼ阻害剤によりイレウスを呈した症例

(症例1)ベイスンによる麻痺性イレウス…ベイスン錠0・2㎎2錠2回/日を服用。開始初日から腹部膨張感、1日中ガスが出る。服用5日目で服用中止するも動けないほどの腹痛、膨満感。中止3日後に受診し、XP撮影で、ガスの貯留が判明。浣腸、点滴、センノサイド2日間服用し改善。
 本症例は、ベイスンによる麻痺性イレウスの可能性が高い。早い段階で服用中止、受診したため回復したが、次回受診まで服用を続けていた場合は、重症化した可能性が高い。
 製薬メーカーには、麻痺性イレウス9件(重症5)、閉塞性イレウス77件(重症40)が報告されていた。

(症例2)グルコバイ錠による偽性腸閉塞…グルコバイ 錠100㎎3錠3回/日を服用の患者。腹部単純XPで大腸ガス貯留(+)、便秘(+)。グルコバイによる腸閉塞様症状を疑い服用中止。血糖コントロールは インスリンに変更。大腸ファイバー、注腸造影検査では異常なし。絶食・輸液で回復。中止後5日目に流動食、7日後に普通食に。服用期間約10年と長期経過 の発症例である。
 製薬メーカーによると、麻痺性、閉塞性を合わせイレウスの報告は48件。

 両薬剤共に、服用開始半年以内に発症することが多いですが、服用直後~1年以上の経過での発症も報告されています。服用期間中は常に注意が必要。強い腹部膨満感、便秘が続くなど、消化器症状の異常があればすぐ受診するよう説明することが重要です。

(民医連新聞 第1354号 2005年4月18日)

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