民医連新聞

2005年4月18日

介護保険「改悪」のなかみ 知れば知るほど怒りに 徳島健康生協

 介護保険「改悪」法案の国会審議が始まり、衆院厚生労働委員会でも多くの問題が出されています。政府・与党が早期成立をねらうなか、各地でシンポジウム や集会が開かれ、批判の声が高まっています。「知れば知るほど怒りになる」、三月一九日、徳島健康生協が主催した交流集会の報告です。


 「仕事の内容も知らないで、なにバカなことを!」「ヘルパーが持ち込む外の空気で、孤独な心が明るくなります」「ヘルパーは利用者さんの変化や問題を察 知して、解決につなげています」「デイケアに通っているうち認知症が改善した人を、介護過剰というの?」…。「介護保険を考える交流集会」では、「ヘル パーや介護利用が自立を阻害している」という厚労省の見解に怒りの発言があいつぎました。

 集会には「介護保険改悪の内容を知り、たたかいに決起しよう」と、組合員さんや地域住民八一人、職員一〇四人が参加。

 当生協が昨年一〇月と今年二月に実施した介護保険実態調査の結果を報告。明らかになったのは、「要支援・要介護 1の人たちが、ヘルパーの援助と精神的ささえで暮らしている」ことです。サービスが制限されたら「ADLの低下」「QOLの低下」「経済的負担増」「介護 者の負担増」を招くと、多くの人が懸念しています。

 ある利用者さんは「糖尿病で視力が低下し、末梢神経障害がすすみ、すべての家事を自力ではできません。週三回の訪問介護が制限されたら、もっと悪化してしまう」と不安を訴えました。

なかみ知らせず 改悪すすめる厚労省

 実態調査は一〇七人の職員の「足」でとりくみました。学習会を重ね、職員の七割が参加。職員研修にも位置づけた実態調査。職員は、改悪された場合の利用者の生活困難を、肌でつかみました。

 また調査では、打ち出された改悪内容について、四九%の人が「知らない」と回答しました。利用者や国民に知らせもせず、改悪をすすめる厚労省の姿勢は問題です。集会では、寸劇なども使って、問題点を伝えることにしました。

 シンポジウムで発言したNPO法人「どりーまぁサービス」の山口浩志さんは、「利用者にはサービスを受ける権利 がある。その代弁者の一人がヘルパー」と強調。ヘルパー、ケアマネ、利用者家族、デイケア担当者からも切実な声が。参加者は、「それぞれの発言から、憲法 二五条にもとづく介護保障というものを考えさせられた」とのべました。

(岡田和宏・徳島健生病院)

(民医連新聞 第1354号 2005年4月18日)

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