民医連新聞

2005年5月2日

ねらいは介護減らし 国会審議で明らかに

 軽度者を外し、居住・食費負担をかぶせる介護保険「改悪」法案。国会審議のなかで、問題点がいっそう明らかになり、早期成立をねらう政府与党の無法が浮き彫りになってきました。各県の民医連職員も連日、傍聴に来ています。


「介護利用で悪化」はウソ

 「在宅サービスは、八割を超える要介護者の維持・改善に役立っていた」 。一五日、衆院厚生労働委員会で山口富男議員(日本共産党)の質問に、厚労省はついに認めました。

 厚労省の調査結果を素直に見れば明白な事実で、識者や民医連の山田智医師などが指摘してきたことです。

 山口議員は「なぜ小泉首相は、在宅サービスは状態の維持改善につながっていないと断定する答弁をしたのか」と迫りました。

 効果がある軽度者へのサービス給付をなぜ減らすのか? 厚労省が給付見通しを、〇六年度からの三年間で「六~七〇〇〇億円減らす」ことも判明。尾辻秀久厚労相は「サービスを受ける人数を減らす」と答弁し本音を出しました。

 社会保障としての介護からいっそう遠くなる「改悪」の中身を端的に示しました。

shinbun_1355_04

「介護予防」根拠がない

 「筋トレで体調悪化が続出…」。市町村で先行実施しているモデル事業の中間報告から「介護予防」の問題点も出てきました。これによると、要支援の人のマシン使用の筋トレで、「悪化した」が四人に一人。内容は「身体の痛み」「ゆううつなど、心の健康」です。

議員に言いたい

 傍聴に来た、石川・健生クリニックの梅澤清さん(看護師)は、「ヘルパーの訪問をささえや生きがいにして暮らしている人が地域にたくさんいる。削られたらたいへん。地元では猛反対が起きている。今日は署名を六〇〇筆持ってきた」と話しました。

 同県の西村のぶ子さん(事務)は金沢リハビリテーション病院に勤務。「食費・居住費の負担で、老健利用者の五分の一が困った事態になる。あまりにもひどいので、議員に訴えたくて、二〇年ぶりに東京にきた」と怒りました。


*全日本民医連介護闘争本部は、5月9~20日を、「全国一斉行動期間」に設定し、介護保険改悪の実態を地域に知らせようと、呼びかけています。

(民医連新聞 第1355号 2005年5月2日)

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ