MIN-IRENトピックス

2013年10月1日

【声明2013.10.01】消費税増税実施の閣議決定に抗議し、すみやかな撤回を求める

2013年10月1日
全日本民主医療機関連合会
会長 藤末 衛

 安倍首相は1日、来年4月に消費税率を8%に引き上げることを閣議決定し表明した。
 各種世論調査でも、増税を「予定通り実施すべき」は、2~3割にとどまり、「中止すべき」「先送りすべき」が7~8割と多数を占める。こうした国民の声 を無視しての増税強行は暴挙である。また物価が上昇しくらしがますます大変になる中での大増税の強行は、国民生活を破壊するばかりでなく景気の大幅な後退 を招き、日本経済を破壊する。
 安倍首相はこのことを恐れ、5兆円規模の「景気対策」を実施すると表明した。消費税による景気の落ち込みを支えるために消費税を使うというが、それなら ば消費税を引き上げなければいいというのが道理であろう。しかも5兆円の景気対策の中身は大企業減税と従来型の大型公共事業であり、とりわけ許しがたいの は東日本大震災からの復興に当てる財源のうち、大企業の負担する復興法人税だけを「前倒し廃止について検討する」としたことである。廃止し減税されれば、 復興費用に約8~9千億円の穴が開くことになり、大震災の復興を分かち合う約束も反故にされ、もうけをあげている企業だけが優遇される。一方で、消費税増 税が被災地に重くのしかかる。
 さらに法人税の実効税率の引き下げも「早期検討開始」の方針を明記した。法人税減税分が賃金上昇につながるかは不明であり、「企業は減税、個人は負担増」という、国民から富を奪い大企業にばらまくというあからさまな政策であり、断固許すことができない。
 安倍首相は、表明の記者会見で企業の収益が伸びれば賃金に反映し景気回復につながる、法人税減税で海外の投資を呼び込むなどとする破綻済みのトリクルダ ウン論を展開したが、法人企業の99%は中小企業であり、その7割強が赤字である。法人税減税の恩恵がこれらの中小企業に及ばぬばかりか、消費税の増税は こうした中小企業をいっそう追い込むことになる。そして、その中小企業に労働者の7割が働いているのが実態である。15年間の景気悪化の要因も97年の消 費税引き上げによって中小企業の活力を奪い、そこへの対策を怠ってきた結果である。
 中小企業を暖めてこその景気回復の道であり、今回の景気対策はその重要な的を外しているといえよう。
 消費税増税を社会保障に使うというウソも明らかになった。それどころか社会保障では、生活保護の給付水準の引き下げと年金の給付額のカットが実施され、 70~74歳の医療の窓口負担の2割化、医療提供体制の再編、介護では要支援者の生活支援サービスの保険外しにはじまり、特別養護老人ホームの入所者の要 介護3以上への限定化、ケアプラン作成の有料化など負担増と給付の徹底した削減が検討されている。
 増税と社会保障の切り捨てが「税と社会保障の一体改革」の正体であり、それが明らかになったなかでの消費税増税の表明は2重に許されない暴挙である。
 消費税増税実施の決定に断固抗議し、すみやかな実施撤回を求めるものである。

以  上

(PDF版)

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