いつでも元気

2009年11月1日

(得)けんこう教室/家庭でできるツボ療法(下)/ツボをおさえて健康チェックを

則定邦彦 大阪・住之江鍼灸センター鍼灸師

「未病」を治し、病気を未然に防ぐ

 鍼灸(しんきゅう)治療は、健康づくり、病気の予防を2000年以上前から考えていました。東洋医学の古典の中には、「上医(最上の医師)は未だ病まざ るものの病を治す」とあります。「未だ病まざるものの病」とは、病気以前の不調のことで、この段階で治すことこそ最も大切だと考えられていたのです。古代 中国の医者は「未病」を治療できるかどうかで、医者の実力が判断されていました。

 未病には、肩こり、イライラ、夜寝つけない、朝起きると体がだるい、なんとなく不安な気分 がつづくなどの自覚症状がある場合と、これといった自覚症状がないまま進行する場合があります。自覚症状がない場合でも「ツボ」の反応を感じることで自覚 できます。つまりツボ療法は、自覚症状のない未病にも対応できます。

 鍼灸治療の診察法には、体に直接触れて診察する「切診」があります。西洋医学でいう触診のことです。切診の方法のひとつにツボに触れて体の状態を判断することがあります。今回紹介しているツボは、毎日、私が診療で触れている代表的なツボです。

ツボ刺激の効果

 ツボ刺激には大きく分けて、(1)ツボの位置の周辺のこりや痛みをやわらげる、(2)ツボ の位置から離れたところや全身に働きかける、といった、二つの効果があります。ツボの効果を考えるとき、これらを意識することが大切ですが、あまり難しく 考えずに、やさしく気持ちいい程度に刺激することを心がけましょう。

 それでは、重要なツボの位置、効用などをそれぞれ見ていきましょう。今回は、肘(ひじ)から手の先までと、頭部のツボを紹介します(下項)。

kenkou_2009_11_01

 ツボ押しチェックを毎日の習慣にすると、体調の変化に気づきやすくなります。自分では何ともないと思っていても、意外と反応があるツボが多いことがわかります。とくに病気ではなくても、自分の状態をあるがままに感じることが大切です。

 先月号から自分でできるツボ療法を紹介してきましたが、重要なツボは、まだまだたくさんあります。ぜひ、自分の生活の中にツボ療法をとり入れ役立ててみましょう。身近な鍼灸師に気楽に相談してみてください。

 最後に、鍼灸治療の保険適用は、長年の運動で、少しずつ改善させてきました。しかし、まだ 制限が多く、簡単には利用できません。私たち民医連の鍼灸治療院では、「かかりやすい鍼灸」をめざして、保険適用改善運動をすすめています。これからもみ なさんのご協力をお願いいたします。

いつでも元気2009年11月号

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ