いつでも元気

2010年11月1日

(得)けんこう教室/「ウオーキング」(下)/歩行時の注意点を踏まえ、実践しよう

渡邊拓也 北海道・釧路協立病院 管理栄養士/健康運動指導士

 今回は、ウオーキングを実践するにあたり、必要な基礎知識を紹介します。

目標歩数を決めよう

 平均的な日本人が、一日に運動で消費しなければいけないカロリーは、約200~300キロカロリーといわれています。このカロリーを消費するためには、歩数にして約1万歩が必要となります。
 十分なウオーキング効果を得るには、20分以上が目安となります。10分を朝晩に分けて歩いても効果は同じなので、ライフスタイルに合わせた余裕のある計画を立てましょう。

ウオーキングと心拍数

 心拍数によっても運動効果は違います。
いつもより激しく体を動かしたり、早足で歩いた場合、呼吸が速くなり心臓がドキドキしたという経験はありませんか?
 これは運動による心臓の働きが関係しています。運動をすると、普段より酸素が多く必要となるため、呼吸の回数が増え、心臓は平常時よりも速く動いて血液を多く送り出そうとします。ですから、心拍数は運動の強さによって変化します。
 エクササイズやダイエットを目的としたウオーキングの場合に意識したいのが、この心拍数です。適切な運動強度を知ることができ、より効果的な運動をおこなうことができます()。
 一般的なゆっくり歩行では、息ははずまず、十分な運動効果は望めません。逆に、心臓がドキドキするほどの激しい歩き方では、心臓に過度の負担がかかる恐 れがあり、危険です。「ややキツく、息がはずむ」くらいが安全で、運動の効果も十分に得られます。心拍数の変化をしっかり把握しましょう。

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水分補給を忘れずに

 ウオーキングなど、運動をする際に忘れてはならないのが「水分補給」です。水分が不足すると脱水症状や熱中症をまねきます。室内外に関わらず、運動の環境下では高温多湿になりがちです。水分を忘れず準備しておきましょう(★)。
 正しいフォーム(図1)を意識しながら歩くことも大切です。悪い例として、足を引きずるような歩き方や蟹股などがあります。足腰への負担がかかり、ケガの原因となるばかりでなく、体力の消耗など運動効果にも影響します。「姿勢は正しく、リラックス」を心がけましょう。

変化に富んだコースを選ぼう

 坂道などの勾配も上手く利用すれば、筋力・心肺機能の向上につながります(図2)。 傾斜が上がることで平地を歩くよりもエネルギー消費量は多くなります。たとえば、10~15度の傾斜がある上り坂では平地の約3倍、20~30度のキツい 傾斜では約6倍ものエネルギーが必要となるそうです。山道などの長い下り坂を歩く場合でも、平地と比べて約2倍のエネルギーが消費されます。
 ただし、心拍数と相談しながら歩きましょう。もちろん無理は禁物です。
 坂道以外でも、変化に富んだコースを選ぶことは有効です。たまには郊外など、いつもと違ったコースにチャレンジするのもいいでしょう。アスファルトや砂 利道、曲がりくねったコースなど、ちょっとした変化があれば、エネルギー消費はもちろん、気分の面でもいい効果をもたらしてくれるでしょう。
イラスト・井上ひいろ

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いつでも元気2010年11月号

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