民医連新聞

2005年5月2日

“改憲あかん” 宣伝つづけています 大阪・生協森の宮歯科

 憲法「9条」「25条」にちなみ、九日と二五日にアクションを起こしている仲間が増えています。その一つ、大阪の生協森ノ宮歯科は、毎月九日と二五日、出勤前の朝宣伝を、昨年八月から続けて九カ月になりました。

 「太平洋戦争で国内で三一〇万人、アジアで数千万人の大きな犠牲を出し、私たちの国はその反省にたって二度と戦争をしない、と今の憲法を持ちました。そ の平和の誓いを、たった六〇年で捨ててしまって良いでしょうか? 春の桜が楽しめるのも、平和であればこそ」…JR森ノ宮駅前に響く声。派手な色の横断幕 やポスターが、目立っています。ヘルスコープおおさか・生協森ノ宮歯科の宣伝風景です。

夏から続けて9カ月

 宣伝は、「憲法改悪に反対する行動をしよう」と、法人の事務長会議での話し合いを渡部(わたなべ)哲也事務長が職場に持ち帰り、呼びかけたもの。

 とりくみが長丁場になることをみこし、いつもの朝宣伝より一五分短い、七時四五分から八時半までの四五分間をあてよう、常勤の二〇人を一〇人ずつに分けて、月一回は出るようにしよう、と、工夫もしました。昨年八月から続け、九カ月になります。

「仕事は忙しいけどやらんと後悔する」

 「新しい歯科診療所開設の準備や毎日の業務…忙しさに負けて、やりたいけど、できないことも多い。でもこの憲法の運動には、こだわりたい、民医連の存在価値にかかわる問題やと思うから」と、渡部事務長。

 「今は国のあり方が問われている時。『ここで何かやらないと後悔するんちゃうか』と、職員会議でみんなに話しま した。社会保障制度が削られて医療を受けられない患者さんをなんとかしたい、とやっている運動も、毎日の医療活動、経営、労働組合の活動も、武力行使を禁 じ、国民の人権や権利を守るいまの憲法があってこそ成り立っています。この根本を変えられてしまっては、すべてが無になってしまう。ぼくらが院所の管理だ けに追われているうちに、自分たちをとりまく社会の方が変わってしまった、では、元も子もないですから」。

街頭の反応は… 「むっちゃ良くなった」

 新潟の震災後は、被災地への募金をよびかけながら、二五条の大切さを訴えました。宣伝用の原稿は特につくらず、それぞれが自分の言葉で話します。その方が、反応は良いそうです。「もっとも、マイクを持つのはまだ三、四人くらいなんですけど」と渡部事務長。

 「しゃべるのは苦手、配る方がいい」と、チラシの束を持ち、配布担当に回った組合活動部の藤永豊和さんも、ポケットに改憲の動きを報じた新聞の切り抜きを入れて、準備していました。

 宣伝を始めた昨夏、あまり反応がなかった駅前の雰囲気は、九カ月で「むっちゃ良くなった」そうです。たしかに、 お花見に向かう人やサラリーマン、制服の高校生など、職員が差し出すチラシを受けとっていく人が多いようです。三線を弾きながら宣伝した時は、走らせてい た車を止めて、声援する人までいたそうです。

*   *

 歯科衛生士の山下洋子さんは仕事が休みのこの日、「普通の日は家が遠くてなかなか参加できないので」と、この四五分間のために出てきました(写真右上)。

 「母親としても、自分の子ども、さらにまたその子どもたちのために、平和な世界を残したいんです。日本がアメリ カにくっついて、戦争をしそうなことが怖いです。またそういう大事なことをマスコミが報道しないことにも腹が立って…。『それなら私も一歩でも行動して、 発信しないと』と。こうすることで、少しでも関心を持って、憲法改悪の動きを知る人が増えてくれたらいいと思って」と、信号待ちの人たちに、ていねいに声 をかけながらチラシを手渡していました。

(木下直子記者)

(民医連新聞 第1355号 2005年5月2日)

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