副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2005年7月4日

副作用モニター情報〈226〉 ラミシールによる肝機能障害

 (症例1) 爪白癬のためラミシール投与を開始。服用後43日目に体の疲れ、黄疸を訴える。AST:251、ALT:228、ALP:1555、TBil:6.1であり、投与を中止し、入院。ヒシファーゲン点滴で様子見るが改善なく、プレドニン、プレコート投与し、徐々に回復。
 (症例2) 水虫のためラミシールを開始。服用後36日目にAST:144、ALT:284、ALP:466となる。入院せず、投与中止し、回復。
 (症例3) 爪白癬のためラミシールを開始。投与後29日目の検査で異常を認め、AST:153、ALT:231、ALP:1340、γ―GTP:1166、自覚症状なし。43日目に投与中止し、入院安静にて経快。
 3症例ともに1カ月前後で肝機能の異常が出現しています。一般的に重篤な肝障害は投与開始後2カ月以内に現れます。投与開始後2カ月間は月1回の肝機能検査を行うこと、その後も定期的に肝機能検査を行い、十分に観察することが必要です。最初は長期投与はせず、最低2週間ごとに様子をみながら、皮膚掻痒感、食欲不振、悪心、倦怠感などの随伴症状にも十分注意することが重要です。
 4月の副作用モニター委員会報告には上記3症例の他、ラミシールの疑われる肝機能異常1症例、発疹、掻痒感、悪心、胃部不快感など8症例が報告されてい ます。使用する場合は、投与開始前に検査し、開始中の定期検査と十分な観察を行うようにしてください。
 なお、ラミシール、パナルジンなど副作用が発生しやすい危険期間が分かっている医薬品は、観察・検査などのフォローのため、投与と検査のスケジュールを予定し、守ることが必須です。

(民医連新聞 第1359号 2005年7月4日)

お役立コンテンツ

▲ページTOPへ