民医連新聞

2005年9月5日

第36期第3回評議員会 逆風はね返し平和・医療守ろう ―次期総会までの方針を決定―

 全日本民医連は八月二〇~二一日、第三回評議員会を東京で開きました。評議員・予備評議員七九人と理事などが参加、前回の評議員会以降の情勢や 各地で発展させたとりくみについて、延べ四六人が発言しました。また〇五年度上半期の決算状況と監査報告、第三七期の役員定数の提案、理事二人の退任と一 人の補充提案、特別決議を受け、次期総会めざす方針案を全員一致で可決、ほか全部の議案を承認しました。

 「国民生活を破壊し、憲法九条を変えて軍国化をすすめる路線に未来があるか?」。肥田泰会長の「郵政に続いて医療制度の破壊が狙われている。選挙では将来の日本の姿が問われる」とのあいさつで開会しました。二日間の討議は約五時間半におよびました。

 初日の夜、顧問の肥田舜太郎さんが「私の歩んできた道と民医連の仲間への伝言」を講演。六〇年前の体験、被ばく者医療、民医連の源流を語りました。

住民の困難によりそう

 「銭湯が廃業し、公園や川で身体を拭く高齢者がいる」と地域訪問で知り、銭湯の復活を市に交渉した(高知)、生 活保護費から老年者加算が削られ「最低の暮らしも維持できない」と裁判を起こした高齢者を支援(京都)、アスベスト問題で一一〇番・相談・検診(福井、兵 庫、福岡)、今年も熱中症を調査し府と交渉、昼夜のホームレス健診に参加(大阪)、小児医療費の無料化を開業医とともに運動(山梨)、国保料の所得割算定 式が改悪され、「国保料を払うと医者に行けない」と反対運動を起こした(京都)など、機敏なとりくみが報告されました。

 熊本では水俣病の日曜検診を続けています。被爆者の集団訴訟支援では被爆者と非被爆者を比較し、被爆者のがん発症が二倍以上になることを証明しました。

「九条の会」の広がり

 広い医師層に「九条の会」の呼びかけ人が広がっている(岡山)、「九条の会」の企画に行った若い看護師が、自分の職場で会をつくった(愛知)、などです。

 青年たちが成長しています。「平和はカッコ悪い」という考えが平和アクションで変わり、仲間と被爆者から話を聞 くライブを企画した青年(三重)、平和学校の卒業生が職場の牽引力となって活躍(神奈川)など。「体験して学ぶ方針は正しい」との発言でした。「病院は戦 争の加害・被害体験を聞く場」とのべた山口の評議員は「加害体験に苦しむ八〇代のがん患者が、若い看護師に打ち明け、安らかに死を迎えた事例」を紹介しま した。

医師研修・奨学生獲得

 岐阜の評議員は、三年前に医学対を強化、学生との接触の場をひろげた成果を発言。研修医が、他院の研修に不満 だった友人に声をかけ、入職につなげた例をあげ、「対象を広げては」と提案しました。研修医が学生に語り、指導医が研修医を平和活動に連れて行くとの報告 も(沖縄)。北海道から三つの大学病院含む七つの臨研病院で「ニポポ」を結成、連携しているとの報告がありました。

看護の論議すすむ

 看護問題では「医師や事務幹部との認識の共有を図った」「看護の魅力を再発見している」との発言があいつぎました。「密着ターゲス」を知って病状が改善した患者から礼状が届き、民医連の看護を語る大切さを考えた、という報告(北海道)もありました。

 医療安全・質の向上、介護保険改悪に反撃した報告もありました。

 長瀬文雄事務局長は「この半年、困難あるところに民医連ありの創造的な実践が各地でとりくまれた。持ち帰って直ちに生かそう。逆風をはね返し選挙でも力を出し、次期総会を迎えよう」とまとめました。

(民医連新聞 第1363号 2005年9月5日)

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