健康・病気・薬

2014年2月3日

副作用モニター情報〈409〉 サーバリックスの副作用

 サーバリックスは、子宮頸がん(HPV)ワクチンです。全日本民医連理事会は昨年6月に子宮頸がんワクチンについて「現時点でのがん予防の有用性 についての評価は未だ困難であり、効果の持続時間や安全性についても今後の継続的な検証が必要である」との見解を発信しています。
 サーバリックスは有害事象の報告が多く、失神をはじめ、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、痙攣(けいれん)、ギランバレー症候群(GBS)、SLE (全身性エリテマトーデス)、若年性関節炎、末梢冷感、難治性疼痛、歩行障害、四肢痛、四肢の運動低下、筋力低下、筋骨格痛、感覚鈍麻、計算能力の低下な どが挙げられています。その重篤性や未回復事例も報告され、ADEM、GBSが、添付文書の重大な副反応の項に追記となっている次第です。2009年12 月の発売より現在に至るまで、民医連副作用モニターへの報告も4例と数少ないですが、挙げられています。
症例1) 血管迷走神経反射:1回目接種し数分後に歩行時、気分不良にて後方に転倒、後頭部打撲。痙攣や嘔吐、呼吸困難、頭痛などはなし。意識清明だが顔面蒼白、BP83/47 PR43 SPO2 99% 補液にて症状改善。
症例2) 腕の痛み、血管迷走神経反射:3回目接種5時間後、左手の注射部位の痛みあり、徐々に腕があがらなくなった。BP96/53 HR72 SPO2 96% 顔色不良、点滴入らず。水分摂取可能、吐き気少しあり、嘔吐はなし。腕の痛みは残っているが、補液にて症状改善。
症例3) 蕁麻疹(じんましん)、神経調節性失神、痙攣:2回目接種翌日に、顔面・四肢の 膨疹出現。接種2日後には全身の膨疹を自覚。失神2回、2度目には痙攣発作もあり、来院時、意識レベルの低下、上・下肢の痙攣。再度蕁麻疹出現、悪化のた め、ポララミン注施行。蕁麻疹改善するも、痙攣は認めないが、再度発疹出現。抗ヒスタミン剤で対応、改善。
症例4) 体調悪化:接種4日後、喉の痛み、頭痛、咳感冒症状、処方。

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 HPVワクチンのリスクとベネフィットの観点から、現在のHPVワクチンのワクチンとしての完成度は高くなく、その効果も不明と言わざるを得ません。効 果の指標である抗体価の持続期間は10年未満と短いのです。日本の子宮頸がん検診受診率は諸外国に比べ低いのが現状です(欧米70~80%、日本 23.7%OECD調査、2007)。子宮頸がんに対して大事なことは、検診の徹底です。

(民医連新聞 第1565号 2014年2月3日)

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