民医連新聞

2005年10月3日

秋からの運動事例に学び全職員参加型で 社保・共同組織委員長会議ひらく

 全日本民医連は九月一七~一八日、社保・共同組織委員長会議を東京で開き、一二三人が参加しました。衆院選の結果や、憲法と社会保障をめぐ る情勢をつかみ、第三回評議員会の方針をどう実践するかがテーマ。特に「全職員参加型のとりくみを創り出すには」の視点から経験を交流し、共同組織強化月 間に向けて意思統一しました。

 北村眞事務局次長が問題提起。「選挙結果には、政治への閉塞感や漠然とした『小泉改革』への期待を見ることができる。庶民増税、医療制度改悪など『改革』がすすめば、いずれ矛盾は深まる」とのべ、住民との対話・共同を広げる「月間」の重要性を強調しました。

 また、秋から来春にかけて「改悪」介護保険の実施、「障害者自立支援法」など悪法の国会再提出、医療改悪、国保改悪などが問題になります。

 患者さん利用者さんの実情にこだわる「一職場一事例活動」、職場を基礎に学習し、一人ひとりの職員に働きかけ、成長や変化を大切にする「全職員参加型運動」を提起し、新しい『05社会保障パンフ』の活用を呼びかけました。

事実・現実・真実で

 立教大学教授の浅井春夫さんが講演しました。テーマは「構造改革・新自由主義は日本をどこに導くか」。選挙結果 については「周到なマスコミ対策のもとで行われたリフォーム詐欺的選挙だ。しかし投票者の変革を望むエネルギーも現れた」と批評。「構造改革は速攻で、次 つぎ目先を変えて政策を出すのが特徴。国民にじっくり考えさせず、生活をズタズタにする」と話しました。すでに新自由主義は古く、脱している諸外国が多い と例を示し、「事実・現実・真実で迫り、若者の心を揺さぶり、人間を大切にする社会」をめざそうと語りました。

 指定報告は九つ、フロアからも発言がありました。一部を紹介します。

全職員にひろげる工夫

 約一〇〇人の職員中、四割いる臨時職員の協力も得て、昨年一人当たり友の会員を四人増やす目標をたてた。地元採用の強みや、学習を生かし、一〇〇〇人増やした。(北海道・オホーツク勤医協)

 仕事が忙しく地域に出にくい状況を変えようと、毎月学習し、地域統一行動、九条宣伝を続けている。「運動も仕事の一部」と担当を決め、職員とよく話し心を通わせていったら、職場が自主的な企画を始めた。(京都・太子道診療所)

 栄養科で二つの班会を受け持って六~七年、毎月の班会に多彩なテーマで講師をしている。給食のお盆に「入会のすすめ」を入れ、他職と協力して増やしている。(千葉健生病院)

 『足立区への予算要望』を出し続けて一〇年、区も無視できなくなった。予算に反映した内容を区からヒヤリングし、翌年の要望書に生かす。今年は二〇~三〇代の青年三人が作成プロジェクトに加わり、成長している。(東京・健和会)

 国保料の算定方式が変わり、中間層の負担が軽くなる一方、所得の低い世帯が二~七倍になった。「保険料を払った から病院に行けない」という事態が起きている。一〇数年続けている相談会、署名を強めている。困難な患者さんの相談に職員を立ち会わせ、事実を共有し、聴 くことのできる職員に育てている。(京都・吉祥院病院)

 毎月の地域訪問で、銭湯が廃止されて困っている高齢者を知り、存続運動をしている。(高知・旭診療所)

 九条の会を職場・共同組織に広げている。(青森)

 その後、八つの分散会で、秋からの運動について意見交換しました。

(民医連新聞 第1365号 2005年10月3日)

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