民医連新聞

2006年1月16日

看護もっと輝きたいの (8)始まる模索

看護現場の実態を発信する
千葉・東京

 「看護師を増やして下さい」の発信が、各地で始まっています。千葉民医連からは看護職員需給について緊急記者会見を行った投稿が来ています。また、東京 民医連では会場いっぱいに参加者を集め「看護フォーラム」を成功させました。

看護師増員訴え、記者会見
千葉民医連

 厚労省の第六次看護職員需給見通し作成に向け、千葉県も「看護職員需給見通し試案」を出しています。一二月一日、千葉県民医連と千葉県医労連、看護をよくする会の三団体で記者会見を開き、試案への見解を発表しました。

 同県試案では、五年間に増員する看護職員は病院で八六一人、県内にある二八七病院一施設あたりで計算すると、三人しか増えません。「働きやすい環境をつくりたい」という、県当局の主旨からみても極めて少ない数です。

 さらに、千葉県の看護師の離職率は一七%(〇四年)で、全国平均の一一・六%と比べても高く、早急な定着対策の必要性も訴えました。

 県医労連は、看護職員労働実態調査の結果を報告しました。「業務が忙しく、医療事故になりかねない」、「人員不 足のために慢性的疲労」、「充分な看護ができない」など、不安な環境で働いている過酷な実態が浮き彫りになっています。この状況を反映し、回答者の七割強 が「辞めたい」と思っていました。

 看護師増員の訴えとあわせ、看護師が安心して働ける診療報酬体系を県としても国に要請すること、准看護師が看護師に移行するための二年課程通信制養成校の具体策を早急にすすめることなどを訴えました。

 この三団体での会見は、看護増員についての懇談を重ねる中で実現しました。

(県連事務局、長滝登美子)

看護フォーラムに272人 参加者で宣伝も
東京民医連

 東京民医連は一二月三日、「看護フォーラム2005~いのちの平等を求めて 看護が輝くために」を行いました。

 事前の確認を上回る二七二人が参加し、大変な熱気に(写真下)。企画の目的は、(1)看護の厳しさ、困難性を共 有し、その背景には何があるのかを明らかにする、(2)看護のやりがい、看護のよろこびを再発見し、国民のための医療・看護をまもるための第一歩とする、 の二点。実行委員会をつくって準備をすすめました。

 東京民医連・二戸幸子看護部長が看護現場の困難の要因を、データを示しながら報告。全日本民医連の長瀬文雄事務局長が「看護現場の厳しさの背景に何があるか スウェーデン社会をみて日本の可能性を考える」と題し講演しました。

 看護現場からのリレートークは共感を呼びました。急性期病棟や一般病棟の看護師、新卒看護師などがずらりと壇上 に並び、現場の実態や思いをそれぞれの言葉で語りました。会場のあちこちで涙する人の姿も。また、共同組織、看護師の家族、医師が、看護師を応援するメッ セージを送りました。

***

 フォーラム終了後、参加者は、最寄り駅で看護師増員の宣伝・署名行動もしました。「がんばって」の声援や、「私たちも看護師なんです」と駆け寄って署名に応じる集団があるなど、好反応。約三〇分で約七〇筆の署名が集まり、カンパも一〇〇〇円ありました。

※本連載へのご意見・ご感想、ご投稿ありがとうございます。ひきつづきお寄せ下さい。

(民医連新聞 第1372号 2006年1月16日)

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