憲法を守ろう

2006年1月16日

9条は宝 発言(11) 事実を学ぶことで9条の守り手 必ず増える

新潟民医連の看護委員会は昨春、看護・介護職員に「改憲」についてアンケートしました。「改憲を知らない」と答えた職員は一八・一%、「改憲に賛 成」も八・二%という結果を受け、学習を呼びかけた半年後、「賛成」は減少。「事実を学ぶことで、改憲反対は必ず増える」と委員会では実感しています。

 私たちの職場は、「戦争や平和」を考える機会をたくさんつくれ、仲間と学んで成長できる条件があります。それは「戦争政策に反対する」と綱領に掲げているからです。

 春のアンケートで改憲に「賛成」した人も理由は「戦争に反対だから」でした。誰もが平和を望んでいます。方法が 重要なのです。九条がどんな役割を果たしてきたか、改憲したらどうなるか、「事実を学習していけば、わかってもらえる」と考え、「まずは学習を」と、各事 業所・職場にビデオなど憲法グッズを配って、自由に使ってもらいました。

戦争の実態を知る

 看学生委員会の企画で、従軍看護婦だった大先輩の話を聞く会を開きました。「戦争では、戦えない兵士は要らな い。野戦病院では、命は助かっても戦線に復帰できない兵は注射するよう命令され、殺した」と…。「国のために兵士をささえよう」と戦場に行った先輩は、命 を奪う立場になりました。つらい過去を持ち続けながら、今は平和の語り部をしています。

 県連の「夏の平和企画」に、若い看護師と学生を誘って行きました。

 松代大本営跡は、天皇の避難壕を掘るため、朝鮮の人たちを拉致してきて奴隷的に働かせた場所です。闇に葬られたままの、日本の加害の一端を示す現場でした。無言館には、戦場で殺された若い画学生の絵と遺品があり、参加した同世代の学生や職員は胸をふさがれました。

 辺野古やビキニデー、原水禁世界大会などに参加した青年は、事実を目の当たりにし、心を揺さぶられる体験をしていきました。

学んで次のステップへ

 こうして約七割の職員が何らかの学習に参加し、半年後のアンケートでは「改憲を知らない」職員は六・四%に減少し、「改憲に賛成」は四・九%に半減しました。「改憲に反対」と回答した人も、春のときに比べ反対の理由がしっかり書かれていました。

 一年目看護師の感想文に、「入院患者さんに接して『ああこの人は戦争に行ったことがあるのか』って思えるようになった」、とありました。しっかり感性も磨いています。

 辺野古の行動に参加した職員は「私にできることは、周りの人たちに沖縄の現状を伝え、いっしょに未来を考えること。関心を持ち続け、たたかうこと」と二枚の用紙にびっしり報告をまとめました。

 九条を読み直し、「すごく新鮮」と話し合った職場、地域に署名に出た職場、「もともと反対だけど、学んだらまだ知らないことがあることが分かった。もっと伝えたい」と書かれたアンケートも。

 ある同僚は「師長になり綱領や民医連看護の三つの視点を語る立場になって、あらためて良さを感じる。憲法九条を守ることも、病院の中だけでなく居住地でも、私にできることはやるつもり」と言っています。

 看護委員会は、「しっかり事実を学ぶことで変化すること、その反面かなり意識して学ばないと、非常にわかりにくい」と痛感しています。

 みなさんと学び合い、究極の平和憲法九条を守っていきたい。


 

新潟民医連・看護委員のみなさん

青木 順子さん(下越病院総看護師長)

高井 元子さん(舟江病院総看護師長・新潟民医連看護委員長)

田辺 ひとみさん(下越病院副総看護師長)
 家庭では小学生から社会人までの子どもをもつ母親として、憲法9条の大切さを語っています。

(民医連新聞 第1372号 2006年1月16日)

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