民医連新聞

2006年2月6日

医療改悪反対 年明けからがんばってます!

老人クラブ1万3000人が署名運動に協力
―松本協立病院

 【長野発】当院では、今回打ち出された医療改悪で直接打撃を受ける高齢者に中身を知らせよう、と、松本市の老人クラブ連合会に、署名運動への協力を要請しました。

 この要請を会長が承諾、一月一八日の理事会で、説明の時間までもらうことになりました。この会議の議題には、署 名の訴えの項目が、ちゃんと書き込まれてありました。説明に出向いた松本協立病院の三村功事務長は、言葉を選びつつ、計画されている改悪の内容、「お金の あるなしで医療を受けられない人を生むべきではない」という思いを訴えました。

 署名は、総数一万三〇〇〇人を超す会員に届けて集められることになりました。三五の地区ごとで会員数の署名に仕分け(ハカリをつかって)、会員数の多いクラブでは、段ボールサイズになってしまうほどの量になり、持って帰れるか? と心配になるほどでした。

 会議終了後、出席した全理事が署名を持ち帰ったとの連絡もいただきました。運動の広がりに手応えを感じています。(中村靖、事務)

医療構造改革問うシンポ地区医師会からも参加者
―東都協議会

 【東京=高橋俊敬通信員発】一月七日、シンポジウム「医療制度の構造改革を問う」を足立区で開きました。これ は、健和会が参加する東都協議会と友の会の実行委員会で開催。「医療制度改革大綱」の発表に、新年から立ち上がろうと決め、足立区・葛飾飾区の医師会員全 員の七〇〇人に案内するなどしてとりくんだもの。十数人の開業医・医師会役員を含む二一四人が会場にあふれました。

 シンポジストには日本経済新聞社の渡辺俊介論説委員(社会保障審議会委員)が出席。厚生労働省(財務省)が検討 中の医療制度改革の動向を説明。これら社会保障の構造改革が、国と地方の借金を抑制するための最大の削減手段として狙われている、と強調しました。また、 報道側の問題とともに、医療者側の発信の弱さが、医療者と国民の間に不理解を生んだのでは? と分析しました。

 これに対し、医療者側のシンポジストとして出席した鈴木篤医師(全日本民医連副会長)は、「医療制度改革大綱」の問題点をあげました。

 とりわけ、財界と財務省の「対GDP比あたりの国民医療費アップ」の大宣伝は、GDP自体の落ち込みがあるとい う要素を隠して行われている。これを無批判に垂れ流した結果、世論に「医療費抑制策を支持する反面、患者負担増には反対する」という矛盾を生み出した、と 報道を批判。「報道は医療者と国民の分断ではなく、公的保険制度の拡充で安全・安心の医療の提供を可能にしよう、という前向きな議論を呼び起こす役割があ るはず」と発言。

 フロアからも活発な意見が続きました。足立区の前医師会長は、「これほど短期間で日医の署名が集まったのは初め て。これでも民意を無視するのなら、小泉の首相官邸に山のように署名を積み上げたい気持ちだ」と怒りの発言。歯科医師の吉田万三氏も「混合診療の先輩とし ての歯科」では「既に自費診療なしにたちゆかない構造。それを直接生命に関わる医療に導入してはならない」と指摘しました。

 実行委員会は、職場・友の会での学習と署名宣伝行動の強化、二月九日の埼玉での大集会を成功させようと呼びかけています。

雪が降っても

 一月二一日には、東部東葛ブロックで署名宣伝行動を行いました。ブロック内五法人、事務局、共同組織四一人が 「医療・介護改悪反対!」の声を響かせました。降りしきる雪の中、署名板を持つ職員に、七〇代の女性が「総選挙でだまされた。構造改革で何か良くなると信 じたが、選挙後に出たのは私ら高齢者の医療費や介護保険料値上げ。もうだまされない。雪の中まじめに訴えている人たちに励まされる」と、話しかけました。

 法人の星野陽子看護部長は、「救急隊にも『ここが最後の砦』と最近よく言われます。医療・介護を守る正念場」と訴えました。

(民医連新聞 第1373号 2006年2月6日)

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