事業所のある風景

2005年3月15日

千葉/千葉健生病院 友の会からのご支援で 昨年春にリニューアル移転

昔から地域住民・医療者との協力・共同を重視して

 千葉市花見川区幕張町は市の中でも東京寄りの最西端に位置し、かつては美しい海岸があり、避暑地 として東京などから訪れる人もいました。現在では、海岸の埋め立て地に幕張新都心ができ、商業施設の幕張メッセやホテル、欧米風の街並みで有名ですが、当 院は昔ながらの漁師町の風情を残したまちのなかにあります。
 当院は、故・奥山順三医師が「金のあるなしでいのちが差別されてはならない」と1947年に開院した奥山医院(23床)を前身に、「責任をもって患者様 の治療ができる医療設備の整った病院をつくろう」、「いつでもかかれる病院がほしい」という地域の方がたのご協力で、1976年9月に106床の病院とし て開設しました。千葉市の救急体制が整備されていないなか、1982年には救急車の受け入れ件数が市内一になるなど、急性期病院として地域医療を実践して きました。また、開設時から地域の方がたと開催している「納涼大会」や、近隣の開業医と取り組んでいる「健康まつり」は、まちの風物詩となっています。

移転とともに機能分化を促進

 開設から27年が経過した施設の老朽化と療養環境改善のため、昨年4月、それまでマンション地下 にあった「まくはり診療所」とともに、現在地に移転しました。移転にあたっては、土地確保から開設まで、友の会の方がたから物心両面にわたってご支援をい ただき、現在も、外来案内ボランティア、病棟ボランティア、送迎車の運行など、様ざまなかたちで運営に係わっていただいています。
 移転とともに、入院と救急外来は病院で、外来一般診療はまくはり診療所で、健診は旧病院施設の1階に新たに開設した健生クリニックで、と機能分化をはか りました。診療所は、内科、外科、小児科を中心に、慢性疾患医療、在宅医療、職業病などに取り組み、一日平均患者数440名となっています。病院は、移転 前にいろいろと医療構想を検討しましたが、106床の一般病床として運営しています。健生クリニックでは、各種健診、被爆者健診などに旺盛に取り組んでい ます。

医療・福祉連携の地域ネットワークの形成を目指し

 病院周辺には介護老人保健施設「まくはりの郷」や「まくはりの郷在宅介護支援センター」が、奥山 医院跡地に社会福祉法人千葉勤労者福祉会の「まくはり生活福祉センター」(グループホーム、生活支援ハウス、デイサービス、ヘルパーステーション)、「ま くはり訪問看護ステーション」があり、いつまでも安心して住み続けられるまちづくりの地域ネットワークができつつあります。病院前のパチンコ店が昨年閉店 したため、そこを駐車場の確保のために購入しました。現在、このパチンコ店跡の施設を高齢者施設や障害者施設として活用できないか、検討中です。
 地域になくてはならない病院として、また、良い医療の実現のために他の医療機関や患者様とご一緒に社会の変革を目指す病院として、人権を尊重し、安全・安心・信頼・納得の医療を目指していきたいと考えています。

千葉健生病院 事務長 渡邉 喜代子)

「民医連院所のある風景」 『民医連医療』2005年3月号.No.391より

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