民医連新聞

2008年3月3日

民医連 つなげよう伝えよう 看護 (2) 長野 医療生協 高校生ボランティアふれあい体験から入職へ

 看護師の後継者づくりは、早い段階から信頼関係をつくることが大切です。長野医療生協では、高校生にも重点を置き、医療生協、民医連の医療・看護 活動を知らせています。高校生一日体験や看護塾、模擬面接、看護学校入学前体験などの中でも「高校生ボランティアサークル」は学生に好評で、毎年、就職に つながっています。
 サークルの目的は、(1)当医療生協の組合員の健康づくりや患者会活動を知らせ、(2)組合員や職員と交流して親しみ、(3)病院の雰囲気を肌で感じてもらう、ことです。

「楽しく気軽に」を工夫

 一日体験に参加した高校生約二五〇人に二カ月に一回、郵送している「通信」で、年度初めにサークルメンバー募集を知らせます。
 毎年、二〇人前後がメンバー登録します。ボランティアの内容は、法人の行事や病院の活動の中で高校生にできることを月に一~二回実施します。メンバーに は月一回「ボランティア通信」を送り知らせています。友だちを誘ってくるメンバーもいます。
 楽しく気軽に参加できるよう工夫もしています。(1)送迎・食事つき、参加費は無料、(2)患者と直接ふれ合う内容にする、(3)患者の安全のために職 員がそばについて気配りする、(4)活動終了後に毎回、交流会をする、です。食事やお茶をともにし感想を聞き、行事の意義や職員と組合員の協力関係、地域 の健康づくりなどを話します。
 今年度は一二月までに計一三回実施し、のべ参加者は高校生四四人、看護学生一六人でした。

職員や組合員と親しむ

 四月は「リハビリ友の会」のお花見会です。一九八〇年に始まった患者会の恒例行事です。患者・利用者、その家族、組合員、職員など四〇〇人以上が参加する春の一大イベント。高校生は、担当の患者の移動の介助や食事の世話、話し相手などをします。
 七月には戸隠キャンプ場で「小児科お楽しみ会」。病気や障害をもつ子どもが自然の中で安心して遊び、家族ぐるみで交流する小児科の企画です。魚つかみ、 スイカ割り、流しそうめんなど、地域の組合員も協力し、高校生も子どもたちに大人気です。看護学生になっても参加してくれます。
 ほかにも、老健デイケアの「善光寺まいり」、健康まつり、リハビリ農園収穫祭、入院患者様の足浴などがあります。

地域密着型に魅力

 高校生から「楽しかった」という感想がいつも聞かれます。ボランティア経験者の就職は、毎年二~三人、全採用者の一割程度です。来年度の内定者の中にも「このような地域の人たちとの活動はほかの病院にはない。ここで働きたい」と決めた学生がいます。
 当院を就職先に選ぶ理由には、卒後教育の充実や勤務地、雰囲気、人間関係の良さのほか、「地域に密着した医療の提供に共感」「地域での健康づくりなどの活動が魅力」なども出されています。
 高校生ボランティア経験者は、就職後も平和活動やジャンボリーなどに積極的で、くじけない精神的強さを持ち、頼りになる存在に成長しています。(徳武愛子、長野中央病院看護学生担当事務)

(民医連新聞 第1423号 2008年3月3日)

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ