民医連新聞

2008年3月24日

連帯のあいさつをくださったみなさん 互いの違いも力に新しい連帯と展望を

韓国・緑色(グリーン)病院
梁吉承(ヤン・ギルスン)院長あいさつ

 いわゆる新自由主義の波は世界的なものですが、日本と似た医療制度と慣行がある韓国で働く保健医療労働者は、民医連のみなさんの課題や問題意識と同様のものを持っています。
 韓国は医師、歯科医、漢方医など、職種別に組織があります。保健医療運動連合という名の看護師が中心となった保健医療労働組合で、いっしょに連帯し、活動をしています。
 しかし、活動は困難です。医療に深刻な問題が生じており、二極化現象を防ぐことはできず、医療の公共性はさらに失われつつあります。新自由主義を防ぐ新しい展望が切実に必要なときです。
 韓国の大衆的な保健医療運動が、組織的に始まったのは一九八七年であり、いま二一年目を迎えています。労働組合は全国的な産別組織として、物的土台をあ る程度備えていますが、職種別組織はまったくそうではありません。

新しい運動の根拠地

 緑色病院は職業病とのたたかいを通じてたくわえられた資金をもとに、保健医療運動をしてきた人びとがつくった病院です。政府や地方自治体とはまったく関係のない独立した公共病院です。韓国で唯一、運動によってつくられた病院です。
 公共医療が脆弱な韓国で、新しい保健医療運動の根拠地となるために努力してきた緑色病院は、今年九月で開院から満五年を迎えます。新自由主義の荒波のな かで、原則と方向を失わず、今日まで生き延びたことは、ひとえにいっしょに働く職員の力でした。そして、職員の夢、学び奉仕し参加する病院をつくろうとい う夢が、緑色病院を今日まで引っ張ってきた力です。私は、その夢こそが新しい展望だと考えます。

歴史はまさしく生命

 しばしば、日本と韓国の運動を対比して歴史と躍動性と言われます。
 長い歴史を持っていることは誇るべきことであり、尊敬すべきことです。このような大きな集まりを、全国から来た同志とともに開くことは、私たちの夢で す。国民から信頼される団体でなければ不可能なことであり、長い歴史はまさしく生命なのです。
 韓国は、日本による植民地支配期から、解放後の民族同士の戦争と独裁政権との命をかけた闘争を経て、経済発展を成し遂げた躍動性があります。確かに保健医療運動の年月は短いですが、活動性が生きています。
 大きな木である民医連と、ようやく一つの幹(みき)を伸ばしつつある緑色病院の連帯は、互いの共通点だけが力なのではなく、互いの違いも力としていかな ければならないと思います。新しい展望を新しい運動方式に、新しい連帯方式に育てていきましょう。民医連の発展を期待いたします。

全国労働組合総連合 議長
坂内(ばんない)三夫さん

医療団体連絡会議 日本医療労働組合連合会 中央執行委員長
田中千恵子さん

日本共産党政策委員長 参議院議員
小池 晃さん

日本原水爆 被害者団体協議会 事務局長
田中熙巳(てるみ)さん

全日本医学生自治会連合 中央執行委員長
松本翔子さん

全日本民医連共同組織活動交流全国連絡会 代表委員
磯野博康さん

参加者の感想

●大阪・医療生協かわち野の共同組織との健康づくり活動は、当法人も少し工夫すればできそう。室料差額問題は民医連の魂。原点に戻り議論をつくしたい。
(北海道・片桐正晃、事務)
●石油が高騰し、暖房がつけられずに低体温症になった患者さんがいる。一つひとつの事例を大切にし、人権意識をもって、とりくまなければいけない。
(福島・中里史郎、放射線技師)
●一つひとつの事例の背景を掘り下げ、人権意識や考え方をきちんともつことの大切さを感じた。沖縄の暴行事件の背景に「人を人と見ない」軍隊がある。
(群馬・平井秀代、薬剤師)
●経営難の中で、有料老人ホームに転換した石川の、患者さんを見捨てず、長いスパンでがんばるとりくみが力になった。
(神奈川・佐藤真琴、事務)
●全体討論を聞き、医療崩壊を打開するために民医連の存在意義を確認し合うことは、やはり大事だと思った。学んだことを患者さんや職場に知らせたい。
(富山・田村めぐみ、薬剤師)
●法人内で医療崩壊の打開策を議論中。これから全国と団結して活動したいと思った。
(島根・有富一哉、社会福祉士)

祝電・メッセージ (78団体)

あかつき印刷(株)
明るい革新日本をめざす中央青年学生連絡会議
安保破棄中央実行委員会
(株)音楽センター
革新都政をつくる会
(株)関西共同印刷所
(株)きかんし
きょうされん
(株)教宣文化社
劇団前進座
原水爆禁止日本協議会
憲法改悪阻止各界連絡会議
(株)光陽メディア
国民医療研究所
自交総連
消費税をなくす全国の会
新日本医師協会
スモンの会全国連絡協議会
税制経営研究所
全運輸省港湾建設労働組合
全運輸労働組合
全気象労働組合
全厚生労働組合
全国印刷出版産業労働組合総連合会
全国金融労働組合連合会
全国建設労働組合総連合
全国公害弁護団連絡会議
全国商工団体連合会
全国心臓病の子どもを守る会
全国腎臓病協議会
全国じん肺原告団連絡会議・全国じん肺弁護団連絡会議・じん肺闘争支援東京連絡会
全国生活と健康を守る会連合会
全国生協労働組合連合会
全国地域人権運動総連合
全国保育団体連絡会
全国保険医団体連合会
全司法労働組合
全日本学生自治会総連合
全日本教職員組合
全日本国立医療労働組合
全日本損害保険労働組合
全日本年金者組合
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟
中央社会保障推進協議会
(株)中央設計
通信産業労働組合
日朝協会
日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会
日本科学者会議
日本看護協会
日本肝臓病患者団体協議会
日本機関紙協会
日本キューバ友好協会
日本高等学校教職員組合
日本高齢者運動連絡会
日本国家公務員労働組合連合会
日本出版労働組合連合会
日本中国友好協会
日本難病・疾病団体協議会
日本のうたごえ全国協議会
日本ヒューマンファクター研究所
日本平和委員会
日本民間放送労働組合連合会
日本民主主義文学会
日本民主青年同盟
日本労働者協同組合連合会
農民運動全国連合会
働くもののいのちと健康を守る全国センター
非核の政府を求める会
平和・民主・革新の日本をめざす全国の会
民医連退職者の会全国連絡会
郵政産業労働組合
(有)陽光堂印刷
代々木総合法律事務所
労働運動総合研究所
労働者教育協会 (50音順)

(民医連新聞 第1424号 2008年3月24日)

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