民医連新聞

2008年4月7日

民医連 つなげよう伝えよう 看護 (3) 高知生協病院 つながりは中学生から「あきらめない看対活動」

 「すごくがんばり屋さんです」という中学校の先生の紹介どおり、元気な少女・しおりさんが職場体験に来たのは、いまから四年前でした。高校生になっても、「高校生一日看護体験」に毎年参加してくれました。
 回を重ねるたび、患者さんとのコミュニケーションも自然にできるようになり、成長していることがわかりました。病棟師長も「あの子、すごく成長してきた ね」と。そして念願の看護学校合格!現在、奨学生の申請中です。中学生の時、体験先を選ぶのに看護師である母に「受け入れ体制がしっかりしている生協病院 に行きなさい」とすすめられたそうです。
 高校生一日看護体験から入職した美里さんも高校生の時に「○○看護学校って難しいですか?」と控えめに質問していました。進学した後、一人で実習に参加 し、次から友だちを誘い、学習会やボランティアに参加してくれました。
 その一人と「高校生の時、『体験』に行った時の対応が温かく、患者さんを大切にする看護ができる生協病院に就職したい」と「入職」という花を咲かせました。

リピーターに工夫も

 しおりさんや美里さんが、夢を抱いて生協病院を訪れたころは、ちょうど病院リニューアル工事中でした。ベニヤの壁に削岩機の音が騒がしく、その後もケアミックス型に変更があったり、一般病床の在院日数短縮などの影響で、現場の混乱がすさまじい時でした。
 その中で年間を通して、中・高校生、看護学生を受け入れる現場の苦労は大変なもので、人数制限を行った時期もありました。しかし、看護師たちは温かく受け入れ、その心意気が学生を魅了し、あこがれを抱かせました。
 小さな県連で受け入れ人数は少ないですが、くり返し「体験」に来る学生が多いのが特徴です。その体験が受験に活きる、と先輩看護師が語り、高校の進路指 導の先生もすすめているようです。また、リピーターには体験場所を工夫するなどの「特別扱い」があることを学生たちも察知し、 「よしっ自分も…」と、 思っていると思います。

ねばり強い活動が

 このようにコツコツつながりを続け、長く深く関わった看護学生が「いざ、就職」となると、県外や他院へ行ってしまう苦くさみしい経験もあります。つなぎ 止められないもどかしさ、非力さを噛みしめながら、「 『 あきらめない看護』があるように、『あきらめない看対活動』をねばり強くしていかなければ」と思います。
 〇七年度は三人だった奨学生が一〇人に増えました。この一年、集団化した奨学生を力にDANSや平和学習、フィールドワーク、ボランティア、「キラッと輝く民医連ナースの実践に学ぶ会」など、毎月、企画を行ってきました。
 新卒採用者は目標を上回り、その中に高校生一日看護体験からつながり続けた学生の姿がありました。そしてまた、新しい奨学生希望者との「出会い」というつぼみが膨らみ、花を咲かせる喜びを感じる春を迎えています。
(片山由美、事務)

(民医連新聞 第1425号 2008年4月7日)

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