民医連新聞

2008年4月21日

民医連 つなげよう伝えよう 看護 (4) 福井民医連 全職員でとりくむ 高校生一日医療体験で

 当県連の「高校生一日医療体験」は二つの活動が結びつき、根づいてきました。一つは民医連の医療や看護を早い時期に知らせる後継者確保のとりくみ。もう一つは、高校生に将来を考えるための身近な体験の場を提供することです。
 看護師体験は一番早く、一九八八年から始めました。一〇年前から医師や理学療法士、薬剤師など、事務をのぞく多職種の一日体験を実施しています。今は医 療に興味を持つ高校生なら、どの職種を希望する人も参加できる「一日医療体験」を企画しています。
 多職種を体験できることが注目され、高校からの紹介も増えています。参加して興味をもち、チャレンジする高校生もいます。

民医連を選択してもらう

 「一日医療体験」と合わせて、必ず医療制度や医療問題などを考えてもらう企画をしています。今なら、後期高齢者医療制度、医師・看護師不足などをテーマに、事例を示し、私たちの医療や看護の理念も伝え、制度改善や看護充実の署名活動も紹介します。
 看護師体験では、一人の看護師が学生一~二人を担当します。若くてもベテランであっても、自分の感性で思いを率直に伝えます。その後の交流会には、当日担当した看護師が出ます。
 さまざまな看護師が看護をめざした理由や思いを話すので、学生から「何回参加しても新鮮」と好評です。看護師はその日のうちに、担当した学生へ「がんばれメッセージハガキ」を送ります。

300~400人受け入れ

 毎年、春・夏・冬の休み二週間を利用する一日体験。二〇〇六年の春・夏は計三四〇人(看護師一 四九人)、〇七年は四二二人(看護師は一六九人)を受け入れました。どの職場も学生のフレッシュな笑顔と活気があり、患者さんからも「ぜひ看護師になっ て。がんばって」「ここに来てね」などエールが送られます。
 とくに看護師をめざす高校生はリピーターが多く、体験を重ねる中で民医連の奨学生になり、入職します。現在つながりのある学生は一〇〇%高校生からです。六~七年間、地道につきあいます。
 このことは職場にも影響しています。看護学生活動の意義が職場に理解され、活動参加や学生の受け入れが定着しました。
 また、「辞める人を絶対出さない」新卒教育・職場の風土づくりが意識されるようになりました。
 これらの活動をすすめる上で、看護学生委員会の役割は重要です。月二回定期で開催し、意思統一をはかっています。

奨学生確保がカギ

 看護師だけではなく、医師体験から三人の奨学生が生まれました。医師も看護師も「奨学生決意が確保の鍵」。このことが全職員の共通認識になってきました。
 高校生に話すことは、自らの医療や福祉への想いを再確認し、確信を深める機会にもなります。年ごとに参加の申し込みが増えています。感想文集を一人ひとりに贈るので、教師や家族の助言、口コミ効果もあると思います。
 長い時間をかけて築いてきた学校との信頼関係を大切にし、ともに歩む後継者を育てたいと思います。(奥出幸恵、看学対事務)

(民医連新聞 第1426号 2008年4月21日)

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