事業所のある風景

2005年6月15日

神奈川/生協おだわら診療所 地域から頼られる 身近な診療所をめざして

かつて東海道屈指の大宿場

 小田原市は、神奈川県の一番西に位置する人口約20万人のまちです。市の南西部は箱根につながる山地、北部には丹沢の山々を望み、東部は曽我丘陵と呼ば れる丘陵地帯、市の中央を貫いて、1級河川の酒匂川が南北に流れ、南部は相模湾に面しています。東海道五十三次の江戸から10番目、また江戸を出てから初 めての城である小田原城の城下町であり、箱根の山越えを控えた東海道屈指の大宿場として栄えた宿場町でした。現在でも小田原駅には鉄道5路線が集中してお り、人びとが行き交う交通の要衝です。恵まれた自然と温暖な気候から生まれる名産品には、かまぼこ、ひもの、梅干し、寄木細工、漆器等があります。診療所 は市の北西部に位置し、晴れた日には、窓からきれいな富士山を望むことができます。

この春で開設5周年

 2000年4月に横浜保健生協、鎌倉医療生協、湘南医療生協の3生協が合併して「医療生協かながわ」が誕生しました。生協おだわら診療所が開設されたの は合併直前の3月。「小田原に民主診療所をつくる会」として建設運動がスタートして以来、地域の大勢の方々に支えられて、この春で開設5周年を迎えまし た。職員構成は医師1名、看護師2名、事務3名、送迎運転手3名で、診療所には1日平均約40人の患者さんがいらっしゃいます。診療、上部・下部の内視鏡 などの検査、健診、1ヶ月に8回の定期往診(往診患者さんは50人)とめまぐるしくも充実した日々です。内視鏡検査時は終了後すぐに画像を見ながら説明を 行い、患者さんからは好評をいただいています。

 診療圏は所在地である小田原市、隣接する南足柄市、松田町など足柄上郡5町、箱根町などの足柄下郡3町の合計2市8町と広く、そのため通院される患者さ んを送り迎えする送迎サービスを行っています。

名物「ふれあい昼食会」

 診療所をつくる会の頃からの名物が「ふれあい昼食会」です。民主団体のボランティアにより始められ、毎月1回第4水曜日に組合員ルームで開催されていま す。食材にもこだわったヘルシーなメニューで、開始以来一度もお休みすることなく開催。しかもメニューがまったく一緒になったことがなく、毎回参加される 方でも、「今日はなにかな・・・?」と楽しみにされています。もちろん、職員にとっても月に一度の最も健康的な昼食がとれる日です。今では共同組織支部の ボランティア委員会と協力して運営されており、第2水曜に開催している「ふれあい茶話会」とならんで、患者さん、組合員さん、職員の交流・憩いの場となっ ています。

安心で安全な医療提供のために

 診療所が6年目を迎えた現在、法人内では病院を除く各事業所におけるISO9001の取得が方針化され、取り組みが始まったところです。個人情報保護法 への対応、クリニカル・パスの導入、リスクマネジメント等々、安心で安全な医療を提供していく上で、医療機関におけるコンプライアンスが必要とされてきて いますが、それらを整備しつつ、ホッとできる、いろいろな意味で頼れる、身近な診療所であることを目指して、地域の方々と一緒にあゆんでゆきたいと考えて います。
生協おだわら診療所 事務長 上田 幸志)

「民医連院所のある風景」 『民医連医療』2005年6月号.No.394より

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