民医連新聞

2008年5月19日

民医連 つなげよう伝えよう 看護 (6) 山梨 共立高等看護学院 熱く語ろう「ともに働くこと」 看護学生の純真な心へ

 「少子化」「大学全入学」時代といわれ、各種学校も学生確保にしのぎを削り、あの手、この手の募集作戦を展開しています。
 本校も、試験日の設定、高校訪問とガイダンス、オープンキャンパス、ホームページや広報活動の充実など、あらゆる手段を駆使しています。
 そんな流れの中、「看護師になりたい」と決め、看護学校に入学してくる学生は、純真な気持ちと誠実さを備えています。実際、本校の新入学生アンケート で、もっとも多かった入学動機・理由は「患者さんの立場に立つ看護をめざす」教育理念でした。

悩みを言える担当者の存在

 「人の役に立ちたい、人に喜ばれる仕事がしたい」という意志を継続し、看護の科学性と理論性、個別性と普遍性を学び、本物の看護学生に育っていきます。その過程で重要な役割を果たしているのが、看護学生委員会・学生担当者だと思います。
 二〇歳前後の学生は、さまざまに悩みながら成長します。教員をまるで友だちや姉、親のように慕う学生もいますが、学生にとって、教員はあくまで評価者。 それに比べ、看護学生担当者には、安心して相談ができるようです。看護学生室には、家庭のことや成績、友人のこと、自分自身のことなど、何でも話しに来る ようです。
 だからこそ看対担当者は、その役割発揮の中で、民医連の医療や看護の内容、めざすものを伝え、「ともに働きたい(入職)」という気持ちを抱かせることが できます。学生の悩みに答え、心を動かせる担当者として、自身の柔軟さも大切にしてほしいものです。

臨床を大切にし語ること

 学生の気持ちを動かすには、何といっても臨床での看護を具体的に見せ、語ることが大事です。
 本校でも、他病院にすでに内定していましたが、民医連での実習を通し、「あきらめない看護」「人間の尊厳を重視した看護実践」を知り、自分の看護観と結 びつけて、民医連に入職を決意した学生がいます。臨床の看護師長や他職種スタッフが、熱心に語ってくれたと聞きました。
 一方、学生の生活面からは、格差社会の影響が確実に現れていると感じます。親のリストラ、破産などで経済的に困窮している学生が増えています。日本学生 支援機構や、県の奨学金を申請する学生数は年ごとに増加しています。その点では、民医連の奨学金制度もさまざまなタイプを用意し、学生の個別の状況に対応 する必要があると思います。

「いっしょに変えよう」と

 看護学校は、全国のさまざまな病院から訪問を受け、双方の情報交換の場になっています。話は医療法「改正」への嘆き、低診療報酬に対する怒りに行き着きます。医療情勢の現状認識をしっかり持ち、民医連のめざす医療と看護を訴え続ける必要性を感じます。
 看護学校としても、学生に医療現場で起きていることをタイムリーに伝え、「現状を変革しながら、仲間とともに働こう」という呼びかけが必要、と日々感じ ています。あきらめず、そして熱く、民医連の日常医療の価値を語り続けましょう。(三浦昭子、共立高等看護学院副学院長)

(民医連新聞 第1428号 2008年5月19日)

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