民医連新聞

2006年4月17日

医療・介護情報BOX 長期処方の副作用 注意していますか? 徳島・そよかぜ薬局

二〇〇二年の診療報酬改定で麻薬や新薬などをのぞく内服・外用薬の投与日数上限が廃止されました。

 長期投与は、患者さんには「受診回数が減らせる」という利便性があります。しかし処方が長期間になると、服用方法の間違いや、重大な副作用に気づきにくく、途中で薬が足りなくなる、などのトラブルも発生しています。

 今回、長期処方による諸問題を防止するため、実態調査を行いました。副作用が出ていたにもかかわらず、次回受診日まで気づかなかった症例も二〇〇二年四月までさかのぼって調査しました。

 調査の結果、三一日を超える長期処方は全体の三割を占めていました。そこで検査実施の指示がある薬剤、投与日数 制限のある薬剤を表にまとめ、処方せん発行元の病院に申し入れ、電子カルテ上に「注意書き」として表示してもらいました。また、院内薬局に依頼し、ニュー スとして薬剤表を配布してもらいました。重大な副作用については、初期症状をチェックできるリーフレットを取り寄せ、窓口に置きました。

 今回の調査で、副作用を説明することが薬剤師の大きな役割であることを再認識しました。また電子カルテで、処方日数の確認を促すことは、正しい薬物療法の一助になると期待しています。

 今後は、長期処方によって起きる患者様の問題(コンプライアンスや経済状況など)についても情報を共有し、対策を協議していきたいと思います。

(佐藤典子、薬剤師)

(民医連新聞 第1378号 2006年4月17日)

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