民医連新聞

2008年8月18日

医師 医学生の意思を示すとき 加速せよ!医師増員 止めよう!医療崩壊

 「日本の医療崩壊を食い止めよう」と医師の本田宏さん(済生会栗橋病院・副院長)を中心に、代表呼びかけ人五人で「医療崩壊阻 止! 医師・医学生署名をすすめる会」を結成し、医師・医学生対象の「地域医療の再生を求める請願署名」をスタートさせました。署名を早急に集め、国会請 願を行う予定です。(横山 健記者)

いまなら間に合う

 「加速せよ! 医師増員、止めよう! 医療崩壊」。日本の医療崩壊の危機に医師と医学生が立ち上がりました。
 七月二五日、国会議員一五〇人が加盟する「医療現場の危機打開と再建をめざす議員連盟」の協力で、「すすめる会」代表呼びかけ人である本田宏さんと宇敷 (うしき)萌さん(医学連・中央執行委員長)が、衆議院会館で記者会見を行い、協力を訴えました。会見には主要新聞各社など、三〇人以上が集まりました。
 本田さんは「政府は医療費で国が滅ぶ『医療費亡国論』を唱え、医学部定員を削減し、医療や社会保障を後回しにした。その結果、医療崩壊が起こった。六〇 歳以上の医師の三〇%が、いまだに当直している。医療崩壊は日本崩壊の第一歩。いまなら間に合う、崩壊を食い止めよう」と国の政策転換を求めました。
 宇敷さんは医学生を代表し「私たちは患者さんから信頼され、元気を与えられる医師になりたい。働きながら結婚や出産できる環境にしたい」と医師労働の軽減や環境整備を求めました。
 「すすめる会」では、少なくとも全国の勤務医の三分の一から署名を次期総選挙までに集めたいと協力を呼びかけています。
 会場には「議員連盟」から五人が参加。日本共産党の小池晃・参議院議員は「医師として署名に協力し、議員として社会保障費二二〇〇億円の削減撤回に向け、がんばりたい」と決意を語りました。

民医連も全力あげる決意

 民医連は「すすめる会」の呼びかけを支持し、全面的に協力することを理事会で確認しました。各県連は、活動をすすめるための推進体制を早急につくって方針を決め、とりくむこととしました。

歴史的なとりくみ 大きく舵を切ろう
増田 剛 (ドクターウエーブ推進本部・事務局長)

 「医師・医学生署名」がいよいよ始まります。医師・医学生運動史上初の歴史的なとりくみです。 公的医療費の削減に歯止めをかけ、医師増員に舵を切る大きなチャンスです。すでに全国で多くの医師と医学生が署名活動や「医師増やせ」の運動に立ち上がっ ています。民医連医師集団も連帯して、奮闘しましょう。

多職種も協力を
遠藤 隆 (全日本民医連事務局次長)

 医師不足、地域医療の崩壊がすすむ中で、医師を増やして地域医療を守る活動は、民医連運動そのものであり、最重要課題です。
 まず民医連の医師・奨学生が署名し、知り合いの医師・医学生に働きかけて署名を集め、呼びかけ人を組織しましょう。北海道では「署名をすすめる北海道の会」の結成準備がすすんでいます。
 この活動は、医師自身が主体者となった活動です。多職種や共同組織のみなさんは、忙しい中で奮闘する医師の活動をささえて、惜しみない協力をお願いしま す。医師増員で風穴を開け、社会保障費二二〇〇億円削減などの低医療費政策の転換を計るよう、全職員・共同組織が全力でとりくむことを呼びかけます。
 この二年間のドクターウエーブ活動で培ってきた力を発揮し、教訓に学び、民医連が「開かれた運動の要」として民医連以外の医師や医学生と協同し、団結したとりくみをすすめましょう。

代表呼びかけ人

本田 宏(済生会栗橋病院・副院長)
近藤克則(日本福祉大学教授)
夏川周介(佐久総合病院・院長)
邊見公雄(全国自治体病院協議会・会長 全国公立病院連盟会長)
宇敷 萌(全日本医学生自治会連合委員長)
「すすめる会」ホームページ
http://www.ishizouin.jp/index.html

(民医連新聞 第1434号 2008年8月18日)

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