事業所のある風景

2007年2月15日

新潟/生協かんだ診療所 震災の被害を乗り越えて 「医・食・住」のネットワークをつくる

医療生協の診療所として生まれ変わって

 2003年1月1日、生協かんだ診療所は、現在地に移転新築 し、生まれ変わりました。外来、デイサービスセンター、在宅介護支援センター、ヘルパーステーションの複合的施設として、また外来リハビリと健康づくりで 日常的に組合員、患者、利用者が気軽に利用できるように、広い機能訓練室、健康づくり機器、パワーリハビリ機器も順次整備してきました。

新潟県中越大震災を乗り越えて

 2004年10月23日、午後5時56分、震度7の新潟県中 越大震災が起こりましたが、当診療所は倒壊を免れました。ながおか医療生協の2つの診療所はリハビリ室やデイサービスを地域の避難所として開放し、介護の 必要な高齢者にできる限りのケアをしました。両診療所の所長は寸暇を惜しんで被災者支援や医療活動に努め、全日本民医連や全国の医療生協の支援を受けなが ら、自ら被災した組合員・職員たちとともに被災者救援活動に取り組みました。
 この中で、高齢者の「医・食・住」が求められていることが明確になりました。それをもとに、2005年6月デイサービスの厨房を利用して高齢者への弁当 宅配サービスを開始し、翌年5月、当診療所地域でも開始しました。当初361食から始まりましたが、2006年11月全体で1757食に増えました。お届 けするたびに一声かけてお話を交わすことは、利用者に喜ばれています。

4・1ダブル改定の中で

 2006年の診療報酬・介護報酬制度のダブル改定で、療養病 床削減とリハビリ上限設定が行われ、患者・利用者の受療権が剥奪され、医療機関にとっても経営的な大問題となりました。十分な説明もなく、対応の時間的余 裕もない通知に憤ると同時に、しかしその変化には一刻も早い具体的対応策を講じなければなりません。訪問リハビリを継続拡大しながら介護保険通所リハビリ の認可を取り、リハビリ継続の道を広くしました。

住み慣れた地域での協力・共同

 震災の教訓から、ながおか医療生協が地域から求められている 事業を展望し、県や市との懇談交渉を強めました。そして、住宅型有料老人ホームと小規模多機能型居宅介護施設について、2007年度の事業認可を得られる 見通しも立ちました。さらに、地震被害の大きかった高町団地では、町内会からの強力な働きかけを受け止め、地域交流スペースを組み込んだ小規模多機能施設 や介護付き有料老人ホーム、短期入所施設の計画を準備し、町内会と手を取り合って行政との話し合いを進めています。
 今、住み慣れた地域での「医・食・住」のネットワークが求められています。厳しい医療・介護・福祉の現状の中だからこそ、医療生協の組合員と役職員そし て地域住民とも協力共同して、真摯に取り組んでいきたいものです。

ながおか医療生協 専務理事 山田 栄作)

「民医連院所のある風景」 『民医連医療』2007年2月号.No.414より

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