民医連新聞

2006年8月21日

水害で救護班に看護師12人 班長さん奪った水害 支援に全力

水害で救護班に看護師12人 南信勤労者医療協会

 【長野発】七月、諏訪地方を襲った豪雨で、友の会員さんや職員宅が浸水被害を受けました。公共交通や高速交通も断たれ、宿泊や徒歩で出勤し、診療体制を確保しました。
 下諏訪医師会はいち早く避難場所を巡回する体制を取りました。当院も医師会との協議で緊急入院を受け入れることになり、家屋浸水で緊急避難してきた患者 さん九人を入院させ、二人を外来宿泊で受け入れました。
 七月二九・三〇日は、岡谷市のボランティアセンターの救護班に、看護師一二人を派遣。八月五日にも看護師二人が参加しました。
 仮堤防の設置が終り、避難が解除になった段階で、復旧支援が本格化する見込みです。健康まつりは中止にし、災害復旧に全力をあげることにしています。
(花岡進・諏訪共立病院)

班長さん奪った水害 支援に全力 出雲勤労者健康管理協会

 【島根発】七月一八~一九日の豪雨で出雲市は、浸水二〇〇棟、死者二人・行方不明者一人の甚大な被害を受けました。行方不明者は「友の会」の班長・三島政治さんで、奥さんとお孫さんを乗せ避難する途中、車ごと流されたのです。
 ただちに一九日午後、職員八人が被災地入りし、三〇日まで延べ七一人が支援に。理事長、病院長も駆けつけ、男性職員三人は土曜日曜を連日支援しました。
 床下の汚泥をかき出す作業は重労働。汗と泥で服をドロドロにして奮闘しました。一段落した八月初旬、町の現地本部から丁重な感謝状が届きました。
 被災地は六㌔ほど先の山間部で、水が出ない、電気が使えない、携帯電話も圏外でつながらず、孤立していました。五町のうち四町に「友の会支部」があり、 被災会員宅を訪問。新人の女性組織担当者も支部長・班長と連絡を取り、支援隊を組織しました。
 支援先の一軒は、老夫婦だけで復旧作業も手つかず状態。床板を洗う給水車が来たとき家人が「水はけが悪いから…」と言ったため作業が中止に。「今なら災 害廃棄物は無料で回収」との連絡にも判断できず、時に呆然自失する二人を励まし作業をしました。
 一軒は、役所や自治会の役員に遠慮して支援を断っていた老夫婦。私たちが行くととても喜び、支援のデリケートさを感じました。
 行政側の対応は弱く、広報車や有線で「支援が必要な人は連絡を」と放送しましたが、住民のほとんどは「聞いていない」。駆けつけたボランティアを小学校 や公共施設の復旧に回し「依頼がない」と個人宅に派遣しない状況もありました。神戸川の改修計画を県が実施せず、上流の来島ダム(中国電力)の放水が被害 を大きくした、との指摘もあります。
 三島さん一家の地区民葬で、葬儀委員長がのべた「安心して住み続けられる地域に」の言葉を重く感じました。(稲村正志)

豪雨災害救援募金 受付中
郵便振替口座 00180-0-20303
名義 全日本民主医療機関連合会

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