民医連新聞

2006年9月18日

仲間増やし 世直しの力に 共同組織強化月間(10~11月)を前に 川添一彦事務局次長に聞く

 一〇~一一月は「共同組織強化月間」。準備はすすんでいますか? 仲間を増やして「守ろう医療・平和・くらし」と提起されている月間をどう成功させるか、共同組織委員会の責任者・川添一彦事務局次長に聞きました。

●医療改悪を押し返す力

 月間アピールでは「年度内に三三〇万共同組織・『いつでも元気』二〇〇〇部増」を目標にかかげ、月間中にその八割を達成しようと呼びかけました。
 地域には、困っている人が多数います。共同組織は、住民とともに、困難や苦労を共有できるもっとも身近な存在です。班や支部の存在は、地域の寄り所・相 談所として、地域の人びとと民医連事業所をつなぎ、地域で助け合いを拡げていく大切な役割を果しています。また、地域の要求を持って自治体と交渉したり、 出資金・共同基金の参加、事業所の利用、運営参加、経営基盤をともに強化するうえでも、なくてはならない存在です。
 たとえば、医療生協かわち野(東大阪市人口五二万人・八尾が定款地域)。東大阪市では組合員世帯比が一〇%、病院・診療所の診療圏では三〇~五〇%を超 えている町目もあります。住民健診、ドック健診や大腸がん検診なども五年以上一万件を超えて実施。日曜日健診では、一〇〇人前後の受診者を集め、組合員さ んのボランティアが毎回一五人も協力してくれます。事業所運営などに直接参加する力をもっています。先の東大阪市長選挙では、市民の立場にたつ市長を勝た せる一翼を担いました。

●方針と目標もって

 自法人と共同組織の現状を踏まえ、何をめざすのかを考え、「強化月間」の方針と目標は必ず立てましょう。法人や 事業所の幹部は「強化月間」を正面にすえ、中心課題としてとりくみを強化してください。「経営が大変だから…やれない」という発想を変え、「共同組織の力 を引き出し、職場の内部を活性化し、経営課題を前進させる力にする」決意を固めましょう。新しい仲間を増やすことは展望を切り開く大きな力となります。
 「もう広がらない」という声も聞きますが、現状の三三〇万構成員という数は、地域の世帯数比率の二%に過ぎません。診療圏の人口(世帯)比で五割を超えたところはまだ少数です。
 身の回り、たとえば地域で共同している団体(生健会・新婦人の会、民商など)の人たちにあらためて呼びかけるとともに、対象を思い切って広げましょう。

●加入率を上げよう

 特に職員は、患者・利用者さんの加入率を高めることを意識してとりくみましょう。現状は、友の会型が八五万で、利用者加入率は四~五割程度、民医連加盟の医療生協は二三〇万で、利用者加入率は八割程度といわれています。
 「強化月間」中は、待合室などに共同組織の方に座ってもらえる加入コーナーを必ず設けましょう。職員や職場の協力体制も取りましょう。
 電子カルテ導入等で加入・未加入が区別できないという声も聞きますが、昨年の月間では「全員に声をかけ、加入済みの人に紹介を呼びかけよう」という方針で臨み、成果を上げた法人がありました。

●月間は世直しの第一歩

 今回の月間では「高齢者生活実態調査で地域に出よう」と呼びかけています。在宅医療に関わる職員の話にリアリティがあるように、地域には学ぶべきことがたくさんあります。この調査をきっかけに全職員で地域に出ましょう。
 また、『いつでも元気』を増やそうと呼びかけています。堅い話をやわらかくした中味のある記事がいっぱいです。今回、見本誌を五〇円で提供します。まだ 読者でない職員すべてに渡しきり、すすめる、これを運動にしましょう。
 患者さんや地域の人びとに声をかけ、医療や介護の現状を伝え、民医連とともに歩む共同組織のひとりになってもらう、この行動は困難を抱える地域住民と共 同した世直しにつながる第一歩に必ずなります。おおいに奮闘しましょう。

(民医連新聞 第1388号 2006年9月18日)

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