憲法を守ろう

2009年8月17日

新国際署名 核廃絶の声、届けよう ピース・チャレンジャー先頭に奮闘 京都民医連 “署名集めてNY(ニューヨーク)に行こう”

 広島・長崎への原爆投下から六四年。核兵器は、いまだ大量に存在します。来年五月、ニューヨークで開かれる「NPT(核拡散防止 条約)再検討会議」に核兵器廃絶の声を届けようと、新たな署名運動が昨年始まりました。全日本民医連は、この「新国際署名」一二〇万筆の目標をかかげ、と りくんでいます。奮闘している京都民医連を訪ねました。(佐久 功記者)

 「私たちは医療従事者です。日々治療をしていますが、命を守ることは本当にたいへんです。しか し、その命を一瞬で奪うのが核兵器。一度でも使ったら取り返しがつかない。署名に、ぜひご協力下さい」。こう訴えるのは、同県連・憲法闘争本部長の門(も ん)祐輔(ゆうすけ)医師(京都民医連第二中央病院長)です。七月一八日の西日が厳しく照りつける夕方、場所は、祇園祭で有名な八坂(やさか)神社の目の 前。浴衣姿の女性が行き交う中、民医連の職員四一人が署名を訴えました。
 有名な観光地だけあって、外国人もたくさん通ります。「日本人より署名してくれる」と、積極的に声をかけるのは中川伸子さん(京都民医連第二中央病院・ 事務)。「エクスキューズ・ミー!」「アゲインスト・ニュークリアー・ウエポン」とカタコトの英語で語りかけ、英文のパンフレットも見せて署名してもらい ます。
 スウェーデン、オランダ、スペイン、マレーシア、韓国など、さまざまな国名が署名用紙に書かれます。中には、核保有国であるフランスや中国の人も。一時間あまりで一三一筆が集まりました。

先頭に立つ人をつくろう

 NPTの正式名称は、「核不拡散に関する条約」。アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の核保有を認め、その代わり核軍縮・廃絶の条約を結ぶための交渉を義務づけ、五カ国以外の国の保有を禁止する条約です。
 しかし、なかなか五カ国が行動に移さないことに非核国から非難が集中し、五年に一度、核軍縮などの義務を果たしているかどうか検討会議を開催しています。来年は、三度目の会議です。
 昨年の原水爆禁止世界大会で、「新国際署名」にとりくむことが提起されました。署名は、「すべての国の政府がすみやかに核兵器禁止・廃絶条約の交渉を開 始し、締結することに合意」するよう呼びかけています。全日本民医連は六~八月を集中行動期間に設定、目標の半分六〇万筆を集める構えです。
 NPT再検討会議に向け京都民医連では、署名推進役の「ピース・チャレンジャー」を募集し、署名運動をすすめています。署名数一位・二位の人は県連の費用でNPT再検討会議に参加できることもあり、積極的に集めています。
 県連事務局の藤村貴則さんは、「京都は五万筆の目標ですが、普通に強化月間を設定するだけではなく、先頭に立ってがんばる人をつくらないと。それでピース・チャレンジャーを募集することになりました」と語りました。現在、一万五〇〇〇筆に達しています。


「NYで伝えたい」

 京都府北部にある、ふくちやま協立診療所長の川崎繁医師もピース・チャレンジャーに名乗りを上 げた一人。五〇〇筆の目標で登録しました。「いったん用紙を持って帰ってもらいます。五人分の名前を埋めるだけなので、気軽に渡せます」と川崎医師。「常 勤三人の小さい診療所ですが、がんばっています。友の会のみなさんも元気に集めています」と語ります。
 あやべ協立診療所で担当している労災の振動病外来でも、物療室に「川崎先生の署名回収箱」を設置するなどして、集めています。
 カンパも集まり、一万六千円を超えました。署名用紙を二〇枚持って帰った患者さんもいます。
 「北朝鮮の核開発はけしからんと言われるが、アメリカとロシアで何万発も持っている。これを全部なくさないと」と言う川崎医師。「被爆した国から、“絶 対に許されない”と伝えたい」とニューヨークへの意気込みを語りました。


 7月18日の署名行動後、原水禁世界大会参加者の壮行会「ピースカーニバル」を開催しました。県連と平和サークル「ピースアクション」の共催で、世界大 会参加者12人を含む40人が参加。新入職員の平井雅志さん(久(く)世(ぜ)診療所・事務)は、「プラハでのオバマ演説があり、NPT再検討会議を控え る状況で開かれるなど、歴史的な大会になる。しっかり学んできたい」と語りました。
 ピースアクションは、2005年に、世界大会や辺野古連帯支援などに参加した青年職員が中心になってつくった平和サークル。731部隊の学習会や戦跡をめぐるピーチャリ、グッズづくりなど、元気に活動しています。

(民医連新聞 第1458号 2009年8月17日)

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