民医連新聞

2006年11月6日

10・27中央集会に5300人 「医師・看護師ふやせ」100万筆超

 五三〇〇人余のナースキャップと白衣で、東京・日比谷野外音楽堂があふれました。「医師・看護師を増やせ10・27中央集会」に、全国から 医師・看護師などが結集。民医連をはじめ一〇団体がつくる実行委員会が「国民の命と人権をまもるたたかい」として、ひと言メッセージや申し入れ運動を各地 で繰り広げ、準備してきました。「看護師増やせ」の署名は一〇〇万筆を突破しました。

 「安心できる医療を」「医師・看護師が足りない」、風船、プラカード、旗などを手に続ぞくと入場してくる白衣姿。
 「本当に集まりました。こんなに看護師さんが集まって病院は大丈夫なの? と通行人から言われました」。主催者あいさつに、日本医労連・田中千恵子委員長は感慨を込めました。
 休暇を取って、勤務をやりくりし仲間にささえられての集会参加です。若い看護師さんたちも真剣なまなざしでした。
 ゲストには落語家の林家木久蔵さんが登場。この集会を「笑点」でも紹介します、と会場を沸かせ、「ロウソクのように、わが身を削って辺りを明るくする」 と看護師を讃えました。海外から、オーストラリア看護連合のジャン・ブロウリッジさんが「医師・看護師の育成と職能の向上は、世界の医療労働者の運動に合 流するもの」と連帯を表明しました。

社会全体で考えるとき

 リレートークでは、四人の看護師が現場の実態を告発。「国立大学病院では、重症患者が多いのに 体制が貧弱。患者の転倒が防げず長時間労働も多い」「ギリギリの状態で働いている。患者さんから健康を気遣われるほどだ」「もう過労死を出したくない。ゆ とりがほしい」。「都立病院では、泣くな、辞めるな、辞めさせるな、が合い言葉になるほど。都立病院はいらない、という石原都政を変えたい」と訴えまし た。
 患者の立場から、医療生協さいたまの長倉博さんが「窓口負担が生活を圧迫。私たちの代弁者を国会に送りたい。力を合わせよう」と連帯を表明しました。
 医師二人が発言。秋田民医連の草彅(くさなぎ)芳明さんは「東北六県の調査では、八割の病院が医師不足と回答。不足数を合計すると一三〇〇人で、医科大学一三校分。ドクターウエーブが必要だ」と深刻さを語りました。
 上伊那生協病院の木崎健さんは「青年医師として、地域の期待に精一杯応えているが、努力だけでは応えられない現状だ。社会全体で考える時期が来ている。この集会を仲間に伝え、行動したい」と発言しました。

看護師が輝けば

 会場にも溢れる思いを抱く参加者がいっぱい。
 秋田から来た四年目看護師・荘(しょう)司(じ)香世子さんは「看護師を増やしたい思いを一つに、こんなに集まったなんて…」と感激の表情です。中通病 院労組委員長の草(くさ)皆(かい)千枝子さんは、「若い看護師をよい環境のもとで伸ばしたい。看護師が輝くことは患者の元気につながり、それが看護師を また輝かす。こういう集会を地域でもやりたい」と話しました。
 埼玉協同病院の高石光雄院長は「忙しいせいで、医師二六年目にして初めての全国集会。今日はどうしても参加したくて、患者さんに後ろ髪を引かれたが、同 僚医師に託してきた。やはり来れば元気が出ますね」と。仲間とデモ行進に加わっていきました。

 集会前の一八日、全日本民医連の肥田会長、長瀬文雄事務局長、遠藤隆次長が、日本病院会、全国自治体病院協議会など五団体を訪問し賛同を求めました。各団体とも、医師・看護師不足の認識は一致。今後も意見交換をすることになりました。
 また、全国の病院に送った申し入れに賛同が三〇〇を超過。「医師に週四〇時間労働の保障を」「医療はマンパワーで成り立つ。厚労省は現状を知らなすぎる」など怒りの記載が多数です。

(民医連新聞 第1391号 2006年11月6日)

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