いのちと人権を守る

2009年11月2日

10・22中央集会 医師・看護師・介護士 増 今すぐ実行を 『良い医療・介護したい』

  「社会保障費を増やせー」。秋空の下、四〇〇〇人が拳を突き上げシュプレヒコールを響かせました。目の前に厚生労働省のビル。東京の日比谷野外音楽堂で行 われた「社会保障費を増やして、国民のための医療・介護へ転換を! 10・22中央集会」は、医療・介護の再生へ、民主党を中心とする新政権に実行を迫る 大きなアピールになりました。(佐久 功記者)

後期高齢者医療制度は即廃止を

 日本医労連の田中千恵子委員長が主催者あいさつ。「三年前ここで五〇〇〇人の大集会を行い、医療を立て直す大運動を提起した。とうとう政権が変わった。今日は新たなスタート」と語りました。
 連帯あいさつには、全国医師ユニオンの植山直人代表や、日本看護協会の小川忍常任理事が登場、運動の広がりを感じさせました。
 植山代表は「医師が労働組合をつくる時代になってしまった。先日、勤務医一一〇番をしたが、本当にひどい実態だ。医師も労働基準法などを学ぼう。苦しん でいる医師がいたらユニオン入会をすすめてほしい」とのべました。

会場から大ブーイング

 政党からは、民主党、社会民主党、日本共産党があいさつ。看護師の民主党議員が「後期高齢者医療制度の廃止は少し時間がかかる」と語ると、会場から大ブーイング。共産党の小池晃議員は「一刻も早く廃止を」と発言しました。
 現場からの訴えも。大阪・楠根診療所の看護師、内田美智子さんは、「在宅支援診療所として二四時間、在宅患者の対応をしている。常にターミナルの患者を かかえ、緊急電話がよく鳴る。職員が少なく本当にたいへん。政治家のみなさん、ぜひ医師や看護師を増やしてほしい」と訴えました。
 集会後は銀座を経由して東京駅までパレードし、道行く人びとにアピールしました。

現場の声・要求届ける

 集会は今年で四回目。「医師・看護師・介護士を増やせ」の要求は待ったなしです。自公政権が続けてきた社会保障費削減を止め、診療報酬の引き上げが不可欠。「良い医療をしたい、ていねいな看護、介護をしたい」から。
 新政権が掲げた政策で、後期高齢者医療制度と障害者自立支援法の廃止など、医療・福祉従事者と患者・利用者が求める政策を確実に実施させる行動が、求められています。
 集会の前に、地元選出の国会議員に要請してきた小林亮子さん(北海道・札幌ひがし訪問看護ステーション・看護師)。「民主党議員の部屋で懇談しました。 看護師が不足なのか雇えないのかと質問され、現場の声を伝えました」。
 前羽美佳さんと松岡恵理香さん(岐阜・しいのみセンター薬局・薬剤師)は「みどり病院が無料低額診療事業を始めて、多くの人が利用しています。でも薬局 は制度の対象外。お金の心配なく医療にかかれる制度にしてほしい」。
 高橋祐里香さん(福島・特養ホームはなしのぶ・介護福祉士)は「現場は人手不足。本当は一人の利用者に一人の職員がつきたい。実際は三人に一人しかつけ ない」。小沼愛さん(城南病院・看護師)は「こんな大規模の集会は初めて。感動しました」。各地から参加者が要求をもち寄り、実現に向けて踏み出した集会 でした。

(民医連新聞 第1463号 2009年11月2日)

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