医療・福祉関係者のみなさま

2010年1月4日

キラリ民医連の医療・介護 地域訪問で知る患者さんの暮らし 愛媛・松山ハロー薬局 岸 功洋(薬剤師)

当薬局では毎年、患者さん宅などの地域訪問活動を行っています。薬局の中では薬の話がほとんどですが、訪問すると、患者さんの生活を見て、病気や背景を 知ることができます。服薬のタイミングや、何に困っているかということも理解でき、すぐ解決できなくても、いっしょに考えていこうという関係ができます。
 二〇〇九年は、とくに七五歳以上の高齢者を中心に訪問しました。
 訪問は二人ひと組。ほとんどの世帯が年金だけで暮らしており、「保険料の値上げが大変」という訴えが多く聞かれました。「衣類は長いこと買っていない」「食べるものを切りつめている」という話も出ました。
 高齢者の世帯は孤立しやすく、今後に不安を抱いている人が多いことがわかりました。
 薬局に、いつも夫が夫婦二人分の薬を取りにくる家庭を訪問しました。いつも急いでいて、後から問い合わせの電話がかかってくることがたびたびあり、「窓 口で言ってくれればいいのに」と感じていました。でも、訪問してみると、夫が寝たきりの妻を介護していて、長時間家を空けられないことがわかりました。
 当薬局では毎月、「なんでも相談薬局」という日を設けており、薬のことに限らず、年金の相談などにものっています。数は多くありませんが、こうしたとり くみを通じて、患者さんから信頼され、職員も日常業務以外でもたくさんことを学んでいます。
 職員の中では、「本当は、病院や薬局に来れない人こそ、大変なのでは」という声も出ており、今後の課題です。

(民医連新聞 第1467号 2010年1月4日)

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