医療・福祉関係者のみなさま

2010年1月18日

フォーカス 私たちの実践 水洗ポータブルトイレの導入経験 東京・介護ショップらくだ 取りつけ簡単、自由に設置 可能性秘めた水洗式

 ポータブルトイレに水洗型のものがあるのを知っていますか? 大がかりな工事もいらず簡単に導入できます。その経験を、坂本晋さん(東京・介護ショップらくだ)が第九回学術・運動交流集会で発表しました。

 水洗ポータブルトイレとは、上下水道の給排水管につなぐもので、一般のポータブルトイレと違い、汚物を棄てる手間のない、移動可能なトイレをいいます。ウォシュレット、脱臭機能、手すりつきです。
 大田病院のデイサービスでトイレが不足したことがありましたが、建て替えを控えていたことと、下水の配管設備に手間がかかるという理由で、増設を見合わ せていました。しかし、ふつうのポータブルトイレでは職員の手も取られ、使用者も気持ちよくありません。
 そこで、TOTO社製の水洗ポータブルトイレを提案しました。排泄物を粉砕して細い配管で排水するため、トイレ用の下水工事が不要で建築費が削減でき、 トイレの配管が着脱式で取り外し・移動が可能です。建て替え後の新病院でも引き続き活用できます。
 住宅向けの製品でしたが、メーカーに相談したところ「興味ある事例なので協力したい」と申し出がありました。そこで協議しながら設置に向けて検討しまし た。開発技術者が現場調査を行い、ビル配管の適合性を検討し、施工業者と開発技術者が施工方法の打ち合せも行い、工事も無事行われました。一年たった現在 も問題なく使っています。

いろんな活用ができる

 この経験から、他にもいろいろな活用方法があるのではないかと検討しました。

  1. 自由に向きを変えることができるので、片麻痺などの患者の対応が可能。
  2. 脱臭機能、ウォシュレット、手すりつきなので、療養環境が向上する。
  3. 汚物廃棄、洗浄作業がないので、看護労働の軽減につながる。
  4. 取り外しが可能、設置場所を自由に設定できるため、病室を広く使える、などです。

 検討の結果、私たちが想定した以上に可能性があることがわかりました。こうした機器の導入と活用には、現場からの情報発信と積極的な協力が重要であることも実感しました。今後は、ベッドサイドでの有効活用をすすめていきたいと思います。

(民医連新聞 第1468号 2010年1月18日)

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