医療・福祉関係者のみなさま

2010年5月3日

水俣病検診各地で 関東地協・神奈川、近畿地協・大阪

  全国にまだ埋もれている水俣病患者が多数います。国が解明を怠ったまま、「水俣病特別措置法」でチッソを免罪し幕引することは許 されません。民医連では、地協ごとに水俣病検診を実施する方針で、関東地協は二回目の検診を四月一一日に神奈川で、近畿地協では一四回目を四月一八日に大 阪で行いました(東海北陸地協では四月二五日)。

 川崎医療生協・協同ふじさきクリニックで行われた、関東地協の第二回検診には、神奈川、東京、 遠くは北海道などから四八人が受診しました。うち初めて受診するという人が四五人。保健手帳の申請を九人が、認定申請を三五人が行う予定です。スタッフは 医師一三人を含め八八人が参加しました。
 近畿地協水俣病検診は、淀川勤労者厚生協会・のざと診療所で行いました。五月一日の水俣病特別措置法による救済策開始前でもあり、希望者が一五〇人にも なり、七〇人が受診しました。一一日の関東地協の検診に参加した川崎協同病院の荒木重夫医師も支援に駆けつけました。近畿各地の医師一五人、看護師一六人 を含め、計六七人が大奮闘しました。検診の結果七〇人中六〇人が水俣病と確認されました。
 「特別措置法」の救済策は、対象患者や認定方法が制限されるなど問題が多く周知期間なども環境省は明らかにしていません。時間が限られることも予想され、多くの人の検診を急ぐ必要があります。


関東地協の水俣病検診に参加して

鈴木武紘(生協戸塚病院・事務)

 私は検診実施前の事前学習会で基本的な問診の取り方を学び問診を担当しました。問診表は居住歴、食生活歴、自覚症状など、詳細で多くの項目があり、記載もれは認定されない場合もあると聞き、いつも以上に緊張しました。
 問診時間の目安は一人三〇分でしたが、一時間半の人もいました。症状は、こむらがえり、手や足のしびれ、つまずきやすいなどでした。当時、近所で動物の 異変を目にした人が多くいました。現在まで水俣病の申請をしなかった理由は「人間関係を崩したくない」「会社で働きにくくなるのが嫌だった」という人が多 く「苦しくてもがんばり続けてきた」と話していました。長い間、つらい思いをしてきたことがよくわかりました。認定が受けられればよいと思います。

(民医連新聞 第1475号 2010年5月3日)

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